【精神科訪問看護・作業療法】GAF尺度の使い方とポイント【リハでもできる】

訪問リハのこと

令和2年の診療報酬改定において、精神科訪問看護療養費の見直しが図られました。

看護・リハビリを実施するにあたり、月初めにGAF尺度による評価を実施し、訪問看護記録書・帆報告書、明細書に表記することが要件化されました。

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このGAFという評価尺度、リハ職の私は精神科訪問看護に携わる機会で初めて知りました。

GAF尺度とは

Global Assessment of Functioningの頭文字をとってGAF尺度と略します。

読み方は、〝ガフ〟や〝ギャフ〟が一般的のようです。

日本語では、機能の全体的評価尺度という表記で、心理的・社会的・職業的機能を評価するスケールとして用いられます。身体的・環境的制約による障害は含まれません。

この評価を毎月初回の訪問時に実施することが要件化された背景には、精神機能という見えずらい分野を可視化することで、客観的な評価から訪問看護の質を高めることが期待されています。

しっかりと評価・記録をしていないと、実施指導の際にチェックされてしまうため気を付けましょう。

GAF尺度の構成内容

評価は、1~100点の採点が10段階で分けられています。

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ひと項目ごとの〝機能の状態〟の内容は、以下の二つから構成されています。

1、精神症状の重症度

2、社会や職業における機能レベル

60〜51点の項目を例にみていくと。

精神症状の重症度を赤色ライン、職業や社会における機能レベルを黄色ラインに色分けをしてみると、二つの構成になっていることがよくわかると思います。

60〜51点:機能の状態

重大な症状(例:自分の考え、強迫的儀式がひどい、しょっちゅう万引きする)、または、社会的、職業的、または学校の機能において何か重大な障害(友達が少ない、仕事が続かない)。

GAF尺度で評価をする際のルール・注意点

精神状態の重症度と社会や職業における機能レベルのうち、より低い点数の項目を選択することになります。

精神症状の重症度が60〜51点、社会や職業における機能レベルが50〜41点に当てはまる場合には、機能レベルの点数が優先されることになります。

また、評価日から一週間を遡り一番悪い状態を評価します。

情報が少なく不十分なケースでは、0点になります。

一の位の点数の付け方

精神状態の重症度、まはは機能レベルの評価で低い方の段階を選択します。また、その下の項目と比較して該当していないことを確認します。

一の位については、以下の基準に沿って、評価者が採点します。

上の項目に近い:9。8.7.6.

どちらでもない:5

下の項目に近い:4.3.2.1

まとめ

精神科訪問看護におけるGAF尺度による評価は、

1、10段階で分けられた項目のうち、精神状態と機能レベルでより低い方を選択する。

2、1の位の点数は、上の項目に近いければ6〜9点、下の項目に近ければ4〜1点。

3、毎月初回訪問時に評価を行い、記録書、報告書に記載する。

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