【要検討】訪問看護スタッフによる弔問

訪問リハのこと

病院では退院期限をもって支援を終了することがほとんどですが、訪問看護では患者さんが亡くなることでサービス終了というケースが多く存在します。訪問ならではの最期まで寄り添う支援ができる反面、サービス終了後は〝故人のお宅に訪問していいの?〟と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

訪問看護のスタッフは弔問したほうがいいの?

弔問とは、亡くなった方の自宅を訪れ、遺族にお悔やみの言葉を伝えることです。一般的にはお通夜や葬儀に参列をしますが、都合によってはお通夜の前、葬儀の後に伺うケースもあります。

訪問看護で弔問するケースでは、ケアマネジャーや家族からの連絡によって訃報を知ることが多いため、葬儀の後の落ち着かれた時期を見計らって弔問に訪れます。

介護保険上のルール

介護保険では弔問に出向いてはいけないという決まりはありません。ただ、ケアマネジャーの講習でも口を酸っぱくして言われている〝金品その他の財産上の利益を収受してはならない〟という決まりは守らなければいけません。

居宅介護支援事業者の基準省令にも以下のように記されています。

指定居宅介護支援事業者及びその従業者は、居宅サービス計画の作成又は変更に関し、利用者に対して特定の居宅サービス事業者等によるサービスを利用させることの対償として、当該居宅サービス事業者等から金品その他の財産上の利益を収受してはならない。

そのため、弔問に訪れたい際はお茶やお菓子を出されることがあっても、なるべく手を付けないようにする必要があります。とはいっても、お茶を頂きながら故人を偲ぶ時間も大切かと思います。

弔問に〝行く・行かない〟の線引きは

亡くなった方のなかで、弔問に行く方と行かない方がいるのが正直なところです。これは個人の判断によるのですが、私は以下の基準で判断しています。

ひとつめは、利用者さんとの介入期間があげられます。数回の介入であればそこまでの関係性も築くことなく終了した場合は、弔問に訪れても返って迷惑になることもあります。

ふたつめは、ご家族との関係性です。利用者さんはもとより、ご家族と円満な関係が築かれている場合は弔問に行くようにしています。訪問先によっては、ご家族との相性が悪く〝訪問に来てほしくなかった〟と思う方もいるので、慎重な判断が必要です。

また、集金業務がある場合は、その要件と併せて弔問させてもらうこともあります。

最近では、新型コロナウイルスの影響で来訪を控えてほしいというご家族も多くいるので、事前に電話で確認する必要があります。

弔問は手ぶらでいいの?

弔問に訪れる際、基本的に手ぶらでよいとされていますが、さすがに手ぶらでは出向きにくいのが実情ではないでしょうか。

私が勤務する事業所では、弔問用のお線香がストックされており必要に応じて持ち出すことができるようになっています。また、お花代を出してくれる事業所もありました。経費で落とせるかは会社の判断によりますが、お線香やお花の代金は、ポケットマネーでもよいのではないでしょうか。

知っておきたい弔問時のマナー

弔問時には、故人を供養するためにお線香をあげることが一般的です。

1、仏壇の前に座り一礼をする。

2、お線香を手に取り、ろうそくから火をつけます。お線香の数は宗教によって異なります。

3、お線香に火が付いたら、左手で仰いで火を消します。息を吹きかけて消すのは厳禁です。

4、お線香を香炉に立てます。宗教によっては寝かすところもあります。

5、おりんを一度ならしてから合唱をします。最後に遺影に一礼をします。

弔問のマナーはご自宅の宗教によって異なる場合がありますが、わからない場合はご家族に確認してしまうことがベターだと思います。

まとめ

訪問看護ステーションで行う弔問は、

1、弔問するかは故人や家族との関係による。

2、弔問する際は一般的なマナーを把握してから行く。

3、やっぱり最期のお別れはしておいたほうがいい。

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