【まもなく】要支援のリハビリ打ち切り問題

訪問リハのこと

今年の3月、介護予防訪問看護(要支援)で訪問看護によるリハビリを受けている方は、リハビリの継続か終了について岐路に立たされることになります。

これは、令和3年の介護保険改定に伴い、要支援者のリハビリに関する報酬に大きな変更が加えられたことに端を発します。介護予防訪問看護による訪問リハビリは、これからどのようなスタイルで提供されていくことになるのでしょうか。

介護保険改定で決まった介護予防リハの縮小化

令和3年の介護保険改定では、以下のような変更が示されてました。

まずは、令和3年4月より60分リハビリを実施すると、100分の50単位にしますよ。というルールが適応されました。〝60分訪問すると40分訪問するよりも安くなるよ〟というお達しです。

・20分訪問した場合:283単位

・40分訪問した場合:566単位

・60分訪問した場合:426単位

これに伴い、要支援でリハビリを受けていた方の多くが、60分から40分に変更されました。

また、今年4月からは新たな局面を迎えます。

〝利用者に対して、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による介護予防訪問看護の利用を開始した日の属する月から起算して12月を超えて理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が指定介護予防訪問看護を行う場合は、1回につき5単位を所定単位数から減算する。〟というルールです。

つまり、要支援の認定を受けている方がリハビリを利用する場合、一年を過ぎると減算の対象にしますよ。という内容になっています。

透けて見える訪問看護ステーションの本音

上記の改定が決まった昨年の4月以降、私が勤務する訪問看護ステーションにも少しずつその余波が伝わってくるようになりました。

ケアマネジャーさんから頂く依頼の電話で〝要支援の方ですがリハビリの依頼を受けてもらえますか?〟という問い合わせが増えてきました。

要支援者のリハビリを敬遠している訪問看護ステーションが増えているということです。

訪問看護ステーションの運営はボランティアや慈善事業ではないため、少しでも単価の高い、割の良い依頼を多く受けるというのは当たり前の判断と思いますが。

打ち切るべきか続けるべきか

いずれにしても、令和3年4月から訪問リハビリを利用している方は、今年の4月から減算となってしまいます。一回あたり5単位というとわずかな値に思えますが、週に一回の訪問で一ヵ月に-20単位、一年に換算すると-240単位にもなります。

私が勤務するステーションの方針はどうなっているか確認したところ、交渉の余地なく〝一斉に打ち切り〟ということが決まっていました。そこに向けて、担当のケアマネジャーと話を詰めていくようです。

会社の方針なので逆らうつもりはありませんが、サービスが終了してしまう利用者さんの中には、まだまだ介入の余地がある方もいるのが正直なところです。

必要性のある方もすべて一緒くたにまとめて扱ってしまうのではなく、救済の余地があってもよいのではないでしょうか。

減算されることなくサービスを続ける方法はないの?

一年継続した場合に減算の対象になるということは、一度サービスを終了してカウントをリセットしたり、他のステーションが担当する方法はどのようなルールになっているのでしょうか、

厚生労働省のホームページを参照してみると以下のような記載がありました。

理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が提供する介護予防訪問看護の利用が 12 月を超える場合は、介護予防訪問看護費から5単位減算する。なお、入院による中断があり、かつ、医師の指示内容に変更がある場合は、新たに利用が開始されたものとする。また、本取扱いについては、令和3年4月から起算して 12月を超える場合から適用されるものであること。

上記の記載によれば、

・サービスの途中で入院していること

・医師の指示内容に変更があること

が条件となっているようです。例えば〝転倒して骨折→入院→診断名や指示内容が変更された新たな指示書が処方される〟というパターンはどうでしょう。

また、介護予防の区分変更で要介護になれば問題なくサービスを継続することは可能です。

いずれにしてもなにか抜け道があるというよりは、ルールに従っていくしかないようです。

リハビリが終了して困ってしまう方が出ないことを祈るばかりです。

まとめ

介護予防訪問看護(要支援者の訪問看護)によるリハビリは、

1、12ヵ月以降のサービスは、一回につき5単位減算される。

2、すでに要支援者のリハビリを断っているステーションが増えている。

3、期間をリセットするには、入院して新しく記載された指示書が必要になる。

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