訪問看護指示書が変わってわかったこと
令和3年度より、介護保険の改定に伴って訪問看護指示書の書式が変更されました。
訪問看護指示書の変更点については、以下の通りです。
1、訪問頻度を指定する欄が出来た
2、訪問時間を指定する欄が出来た
3、訪問職種を指定する欄が出来た
書式についてはこちらの中段あたりを参照ください。
c7cd5f8aec9452247ab0ff103bfdd600訪問リハビリを利用する際に、担当医師から細かい条件が指定されることになりました。
これにより、4月以降訪問の現場では様々な疑問、解決できない課題、そして様々なトラブルが生じてきています。
訪問頻度を変えるのも一苦労
私が訪問している利用者さんからは、早くも指示書の書式変更に伴う不満が聞かれています。
3月から訪問を開始しているのですが、一週間に2回、毎回60分で利用していたのですが、訪問頻度を増やしたいという希望がありました。この場合、40分で週に3回の利用になります。
今までは翌週から希望通りに変更できたのですが、今年度からはそう簡単には話が進みません。
5月からは一週間に3回、毎回40分のペースに変更するためには、利用者さんが主治医の元を訪れ、指示書に毎回40分、一週間に3回、作業療法士が訪問するという内容を記載してもらう必要があるのです。
訪問頻度、時間を変更する度に通院が義務付けられてしまう利用者さんに利点はないように思います。
担当の引き継ぎができない
担当職種が選択されている点も円滑な訪問と滞らせる結果を招いています。
4月からは、理学療法士の指示で訪問していた方は、作業療法士が引き継ぐには指示書を変更してもらう必要があります。
これにより、私自身も4月から入植したスタッフに利用者を引き継ぐ際、この職種の壁によってお願いが出来なくなってしまいました。
また、体調不良で急遽休んだスタッフの代行訪問も、同じ職種のスタッフしか担うことができません。
休みなく訪問を希望される利用者さんから、不満の声か多く寄せられています。
理学療法士と作業療法士で明確な区別なく介入できていた利点が消滅してしまいました。
頻度と職種の条件を取っ払う方法
条件指定に頭を抱える一方で、4月以降に届いた指示書の中には、この条件指定を掻い潜る手法が使われていました。
ある病院でから行された指示書には、訪問頻度の欄に〝1~3回〟という表記がありました。
そして職種の欄には、理学療法士、作業療法士の両方にチェックがついていました。
このように指示であれば、訪問頻度、職種の制限から解放され、使いやすいサービスになります。
今後、こうしたやり方が浸透してくると、なんらかの指摘、対策をされてしまうかも知れません。
なんでこんな仕様になってしまったのか
介護保険における訪問看護ステーションの改定内容をみると、一概に看護師は値上げ、リハビリは値下げとなっています。
また、条文にも〝あくまで看護の一環として行うリハビリ〟とあるように、主役はリハビリではんく看護にあるという定義が色濃く示されています。
訪問リハビリの現場で10年以上仕事をしていますが、改定される度にリハビリの立ち位置は端へ端へと追いやれているように感じます。
最近では、看護師がリハビリを担うケースも増えてきたり、在宅におけるリハビリの専門性、存在意義を薄めていこうという方向に進んでいくかも知れません。
いつまでも安泰と思っていたこの仕事ですが、将来のために色々と備えておいたほうがよいかも知れませんね・・・。
まとめ
新しい訪問看護指示書が施行されて2か月がたった結果、わかったことは、
1,利用頻度を変更する際は、利用者さんの手間が増えてしまった。
2、やっぱり利用者の引き継ぎ、休みの代行がやりにくくなってしまった。
3,指示書の書き方次第では、頻度と職種の条件は取っ払うことができる。
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