【令和3年度版】訪問看護報告書はどう変わった?

訪問リハのこと

別紙様式2-(1) 新しい訪問看護報告書を作成してみた

令和3年(2021年)、介護保険の診療報酬が大きく改定されました。

理学療法士や作業療法士として従事している方であれば、嫌でも気になってしまうのではないでしょうか。3年に一度の改定ですが、最近の傾向では改定を重ねる度にリハビリの点数は下げら続けているのが現状です。

また、今回は作成する書類の書式にも変更がありました。今までは看護師さんと同じ報告書にリハビリの経過報告を記していたのですが、今年の4月からは別の書類を作成することになりました。

実際に記載してみたのですが、なかなか書き方に悩む箇所が多かったように思います。

新しい訪問看護報告書はこれ

令和3年4月分から使用する報告書がこちらです。

6f32625af1a1b4e5c3efc85cee37f1dc

今までのシンプルな報告書とは異なり、様々な項目が追加されています。

日常生活自立度・認知症高齢者の日常生活自立度

患者さんの氏名の下に、【日常生活自立度】【認知症高齢者の日常生活自立度】を記載する項目が設けられています。

これは、どちらも【訪問看護指示書】に記載されているので、その内容を転写するだけで完了します。ただ、患者さんによってはどちらかの自立度にチェックがされていない指示書もあります。

概ね【自立】の判定だと思われますが、記載されていない場合は担当者が判断するしかないようです。

なお、ダウンロードしたデータでは、【認知症高齢者の日常生活自立度】の項目で【Ⅱb】が誤って【Ⅲb】と表記されている点に注意が必要です。忘れずに修正を。

理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が行った訪問看護、家族等への指導、リスク管理等の内容

こちらは今ままでの報告書と同じように、フリーで文章を打ち込むスペースになっています。

リハビリの内容に加え、本人や家族に行った指導の内容、リスク管理について具体的に記載するように指定されています。

今回の書式では、指導の内容やリスク管等について記載するように指定されていることから、これらの項目は欠かさずに記載しました。

改正直後の現時点では具体的な書き方が示されていないため、後で不足箇所を指摘される可能性もあります。多少面倒ですが、手堅い内容で作成しておいたほうがよいかもしれません。

ちなみに、この項目に関しては事業所ごとで対応が異なっており、看護師が記録する報告書をコピペする方法を採用しているところもあるようです。

評価(活動)

今回新しく設けられている項目のひとつです。

評価の中に【活動】【参加】に分けられています。

活動のカテゴリーでは、ADLの状況を数値化して評価するバーセルインデックスで記録します。

個人的には懐かしい評価スケールかなという印象です。一時期はFIMを使うブームもあったように記憶しています。

最後は合計点数を忘れずに記録しましょう。

その下には【コミュニケーション】という欄があり、日常会話のやりとり、難聴や失語などの疾患を踏まえたコミュニケーションの手段、現状について記載しています。

活動(参加)

こちらでは【家庭内の役割】【余暇活動】【社会地域活動】【終了後に行いたい社会参加等の取組】について記録するスペースとなっています。

実際に利用者さんや家族から聴取していれば記載できますが、社会地域活動や終了後に行いたい社会参加等の取組については、あまり明確にされていない方が多い印象でした。

その下にある【看護職員との連携状況、看護の視点からの利用者の評価】では、実際に看護師と連携している内容、看護の評価を記載します。

この欄は事業所ごとに対応が異なっており、看護師が記載するところもあれば、担当セラピストが記載していまうところもあるようです。どちらのやり方が正しいかは、現時点ではっきりとした回答は出ていません。

特記すべき事項

上記の報告以外に、医師に伝えるべき内容があれば記載します。

取り急ぎであれば直接電話連絡をしているかと思いますので、あくまで文章による報告で事足りる程度の内容に限られるかと思います。

まとめ

実際に報告書を記載してみたところ、

・まだ手探りで進めているため、どれが正しい書き方なのか明確になっていない。

・介護ソフトが新しい書式に対応していないため、今回はExcelで作るところがほとんど。

・書き方の慣れてしまえば次月以降の作戦はそこまで大変ではないかも。

という印象でした。

毎回のことですが、改定後のルールが明確になっていないため、あまり手探りで進めすぎるのも注意が必要な気がしています。

監査の時に「そんな決まりがあったのか!」というケースも多いので、周囲のステーションと情報共有を図ってく必要があるように思います。

コメント