病院が経営難になっている
〝病院に勤めていれば安泰だ〟と思って理学療法士や作業療法士の資格を取得した人は意外と多いのではないでしょうか。
私もその一人です。転勤や過度の残業もなく、普通にしていれば定年まで働けると思っていましたが、状況は変わりつつあります。
新型コロナウイルスの影響により、経営難に陥る病院が増えているようです。先日のニュースでも、某大学病院に勤務する200名以上の看護師さんが夏のボーナスが支給されない事態を受けて一斉に退職されたことが報道されています。
私が勤務している訪問看護ステーションでも他人事ではありません。先日の経営会議では、4月〜6月に掛けての利益が200万円の赤字だったそうです。いつ減給されてもおかしくない状態です。総理風に表現すれば、いわばまさに弊社の緊急事態であります。
さて、これから来るwithコロナ時代に生き残る療法士になるために、出来ることからはじめてみようと思います。
これから重宝される療法士とは
仕事ができる療法士というのは、知識が豊富で治療スキルも高い療法士をイメージしがちですが、必ずしもこうした療法士が重宝されるかというと、そうとは限りません。
綺麗事を抜きにして、利益を出せる〝稼ぐ療法士〟を目指すのであれば、治療の腕を磨くと同時に〝社会性の高さ〟や〝コミュニケーション力〟といった部分に強みを持っているとよいといわれています。
特に訪問看護ステーションという規模が小さく医師も在籍していない媒体で、会社として利益を上げるためには、突飛な治療法を披露したがる療法士よりも、日々の訪問を淡々と卒なくこなせることのほうが大きな戦力になります。
訪問で役立つ療法士の働き方は以下の二点にまとめられると思います。
関係が切れない療法士
病院の場合は入院期間が定められているため、退院とともにリハビリは終了しますが、訪問リハビリではその限りではありません。
訪問看護ステーションで重宝される療法士は〝一人の利用者さんに長期間介入できる人〟だと思います。誤解がないように伝えると、リハビリを終了したい利用者さんを無理に繋ぎ止めることを勧めている訳ではありません。
ある程度の期間が経っても、利用者さんに必要と思われる存在になることが理想です。目標を見直して新しい取り組みでやる気を維持したり、顔を見るだけで安心してもらえる存在になれると、利用者さんのニーズは尽きることなく湧き出してきます。
すぐに担当変更をされてしまうことが多い療法士は、自覚がないだけでこの点がうまく出来ていない可能性があると思われます、お気をつけ下さい。
ケアマネジャーと仲良くなる
訪問看護ステーションに勤務をしてみてわかったことのひとつに、〝営業スキル〟の重症性が挙げられます。
基本的には、本人や家族から直接依頼が来ない限り、居宅支援事業所がリハビリを提供する事業所を決めることができてしまうため、ケアマネジャーには頭があがりません。
訪問看護ステーションに仕事(リハビリの依頼)を割り振る際、ケアマネジャーさんが全ての裁量権を握っているからです。
逆に言えば、ケアマネジャーに気にってもらうことで仕事の依頼が次から次へと舞い込んでくるということになります。個人でも事業所単位でも、ケアマネジャーさんには愛想良く、丁寧な関わりを忘れてはいけません。
病院で勤務しているセラピストには想像し難いとは思いますが、これが介護保険の現場で働く療法士の現実です。
養成校の乱立により療法士が余る時代がすぐそこまで来てます。そうなる前に、仕事ができる療法士になるための努力はやっておいて損はないと思いますが。
まとめ
これからの時代に必要とされる療法士は
① 日々の仕事を淡々とトラブルなく熟すことができる療法士
② 社交性が高く、周囲の人と上手に関われる療法士
③ リハビリ職の将来性に疑問を持つことができる療法士
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