療法士の在宅ワークを可能にするために
新型コロナウイルスの影響により、リハビリ業界にも様々な影響が出てきています。
病院で集団感染をした職員の中に療法士が含まれている事態からみても、これからの時代は療法士も遺影で仕事をしなければいけない時代が来るのかも知れません。
実際に私が勤務している訪問看護ステーションでは、新型コロナウイルスの影響を受け、訪問の予定がない時間は在宅で仕事をするシステムを導入しています。そこで今回は、リハビリ職ができる在宅ワークの内容についてまとめてみました。
在宅ワークを導入するまでの経緯
訪問リハビリでは、病院と違って担当する利用者さんの数は少ないです、ですが、不特定多数の人と接触する機会は意外と多いのが現状です。
その背景には、ケアマネジャーやヘルパーなどの介護スタッフ、家族、利用しているデイサービスでの交流など、利用者さんひとりを介して多くの人たちと接しています。
出勤前の体温チェック、介入前後の手指消毒、訪問後の手洗いやうがいを徹底して実施していますが、感染から発症までの潜伏期間を踏まえると安心は出来ません。
そのため、訪問看護ステーションでもできるだけスタッフ同士の接触、時間や場所の共有を避けるべく、緊急事態宣言が出された日から空き時間の在宅ワークが決定しました。
新型コロナウイルスの影響で訪問サービスの利用を休止している利用者さんが一定数いたため空き時間が増えていることも在宅ワーク導入の背中を後押ししてくれました。
報告書や計画書などの書類作成
理学療法士や作業療法士などのリハビリ職ができる在宅ワークといえば、はじめに思いつくのが〝報告書や計画書の作成〟ではないでしょうか。
私が勤務している訪問看護ステーションでは、インターネットを経由して利用する介護ソフトを導入しているため、自宅のパソコン、外出先のスマートフォンからログインすることができます。
以前勤務していたステーションでは、会社にあるパソコンでなければ作業できなかったため、月末になるとパソコンの壮絶な奪い合いがよく起きていました。
カルテの電子化と共に、今回の騒動を機に、自宅で作業ができる環境を整備する会社も増えるのではないでしょうか。
利用者さんの自主練習メニュー作り
訪問リハビリでは、自主練習を提案する機会は多々あります。ただ、日中の業務が忙しくついつい後回しになってしまったり、業務終了後に残業をしながら作成している療法士も多いのではないでしょうか。
私自身もこうした経験をしてきたこともあり、今回の在宅ワークの時間を有効活用して自主練習メニューを作成することができました。
特に訪問リハビリでは、汎用性の高いメニューをあらかじめ作成しておくことで、利用者さんに応じて少し手直しをするだけで使用することができます。
ちなみに、文字だけの自主練習メニューはあまり効果がありません。イラストや写真など、視覚的にわかりやすいものがおすすめです。味気ない練習メニューでは利用者さんに取り組んでもらえないことが多いので要注意です。
知識を深めるための取り組みを行う
自宅で行える仕事として、新しい参考書を購入したり、勉強会用の資料を作成する時間として活用することもひとつの方法です。
こちらは臨床とは直接関係のない業務になりますが、これも療法士にできる仕事のひとつではないでしょうか。
自分の得意分野であれば、勉強会用の資料を作成したり実技を行うことで、知識をアウトプットすることができると思います。この〝アウトプット〟という作業は、得た知識を深めるために欠かせない過程とと言われています。
知識だけではスキルとして活用することはできません。〝インプット〟したものを自分に落とし込み〝アウトプット〟する。その結果を踏まえて試行錯誤することでスキルが磨かれていくのではないでしょうか。
まとめ
療法士が在宅ワークでできることは
① 計画書や報告書を作る
② 介入できない利用者さんのために自主練習メニューを作る
③ 知識を深め、技術を高めるための時間として活用する
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