利用者さんからのクレーム
訪問リハビリの分野では、一週間に1〜2回しか訪問できない都合上、仕事を休む際には最低限の対応をしておく必要があります。
病院のリハビリであれば、同僚スタッフがリハビリ室の様子を把握していたり、実際に声かけなどで患者さんとの面識を作りやすい環境があります。
一方の訪問リハビリでは、訪問する地域の都合、他のスタッフが担当以外の利用者さんを把握することが難しいという環境があります。
先日、利用者さんからクレームの電話が入りました。担当スタッフがここ2ヶ月で3回も休んでしまったことに端を発します。
利用者さん曰く振替や代替の提案がなかったことに対するクレームでした。私用はもとより、体調不良で仕事を休むことは仕方のないことですが、その際にも利用者さんに誠意を持った対応が必要でした。
そこで今回は、訪問看護ステーションにおける〝担当スタッフが休んだ時の対処法〟についてまとめてみました。
リハビリ場面を見学しておく
病院ではチームを作りローテーションする形で患者さんを担当するところもありますが、訪問リハビリではスケジュールを組むために余裕をもった人員が必要となるため非現実的です。
そのため、訪問リハビリでは利用者さんの担当は基本的に専従で行なっているところがほとんどだと思います。一週間に2回の利用者さんは別の担当者が介入することもありますが。
そこで利用者さんの状況を共有するための手っ取り早い手段は〝見学〟です。訪問の合間を縫って他のスタフに同行することでリハビリ場面を把握することができます。
また、利用者さんと一度でも顔合わせをしておくことで、万が一担当者が不在の時にも安心して受け入れてもらうことができます。
報告会を設けてリハビリ状況を共有する
朝礼や終礼、ミーティングなどの時間を利用して利用者さんの状況を共有するための〝報告会〟を実施するのもひとつの手段です。
以前私が勤務していた訪問看護ステーションでは、毎日終礼時に報告会の時間が設けられていました。
はじめのうちは面倒だと思っていたのですが、実際に代替で訪問してみると報告会の情報がとても役に立ったことを覚えています。
利用者さんやご家族のキャラクター、リハビリ中の会話内容などの些細な情報でも、知っておくことで格段に介入しやすくなります。
利用者さんのリハビリ内容をカルテに挟んでおく
当日急遽担当者が休みとなった場合、代わりのスタッフが訪問をする時に知っておきたいことが〝リハビリの内容〟ではないでしょうか。
そんな時のためにリハビリ内容やタイムスジュールを記載してカルテに入れておく方法もあります。
これは、訪問リハビリの研修会で教えてもらった方法ですが、リハビリメニューと所要時間、全体像や禁忌事項を記録する用紙があると便利だそうです。
こうした対応をしておくことで、急遽代わりに訪問するスタッフも安心してリハビリを行うことができる上に。休みのスタッフが朝からいちいち申し送りを伝える手間も省けます。
利用者さんに誠意を持って対応する
これが一番の基本です。リハビリが休みになってしまうことを申し訳ないという思いがあるのであれば、しっかりと取るべき対応を取る必要があります。
担当スタッフが後日に振替訪問できる時間を提案したり、当日に他のスタッフが代替で訪問してもよいか確認を取ることが大切です。
それが利用者さんの都合に合わず振替訪問が実施できなかった場合でも、こうして誠意をもった対応をしておくことの積み重ねが大切になります。
まとめ
担当者が休みの時の対応を円滑に行うためには、
⑴スタッフ同士で利用者さんの見学を行い、顔合わせをしていく。
⑵報告会や記録用紙を通じて、近況やリハビリ内容を共有しておく。
⑶兎にも角にも誠意をもって対応をすることが基本となる。
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