成年後見人と訪問リハビリテーション

気づいたこと

在宅生活を支える重要な役割

訪問リハビリを利用されている方のなかには、本人に代わってご家族や親族の方が買い物やお金の管理をしてくれる方がいます。

援助していくれる家族がいる方はよいのですが、ひとり暮らしの人や身寄りのない人のために、それらを代行してくれるサービスが〝成年後見制度〟です。

先日もテレビ番組で〝成年後見制度〟をテーマに特集が組まれていました。

病院で理学療法士や作業療法士の仕事をする際にはあまり馴染みのない言葉ですが、MSW、ケアマネジャーなど患者さんと保険サービスを繋ぐ役割の方は知っている人も多いと思います。

そこで今回は、訪問リハビリの利用者さんが使っていることもある〝成年後見制度〟について調べてみることにしまいた。

成年後見制度とは

字面だけではどんな制度かイメージが湧きませんが、高齢に伴い判断力が低下してきた方が代理人を立てて財産の管理手続きを代行してもらう制度です。

2000年の介護保険制度とともに開始された制度で〝ノーマライゼーション〟〝本人の残存能力の活用〟〝自己決定の尊重〟の3つの理念に基づき、障害のある方が地域社会で暮らすために活用する制度としてスタートしました。

成年後見制度を利用できる人

成年後見制度を利用できる人は一定の条件があり〝成人〟であることと〝判断力が不十分な人〟が対象となっています。

すでに判断力が低下している方が利用するのが〝法定後見〟と呼ばれ、判断力が衰える前に自ら後見人を決めた場合を〝任意後見〟と呼びます。

法定後見には〝判断力が不十分な人〟の中でも、判断力の程度に応じて後見人の裁量権も異なり、状態ごとに担える役割にも違いが設けられています。

判断能力が不十分な方には〝補助〟、判断力が著しく低下している方には〝保佐〟、判断力が全くない人には〝後見〟という形で、それぞれに担える役割が決められています。

成年後見人になれる人

成年後見人になることができる人というのは法律で定めらておらず、逆に後見人になることができない人が定められています。

そのため、親族の方、近所に住む世話人、弁護士や行政書士などの専門職などが挙げられます。ちなみに財産を多く持っている人には弁護士などの専門職が後見人になることが多いようです。

後見人を立ててしまうと

これは調べていて驚いたのですが、後見人制度を利用して〝保佐〟か〝後見〟を決定した場合、利用している人が持っている資格や地位が失われてしまいます。

具体的には、医師や税理士、会社役員や公務員が該当します。判断力が著しく低下している方が利用できるサービスのため仕方のないことのようです。

成年後見人を利用する理由

成年後見人を利用しようと思った理由の第一位は〝預貯金の管理と解約〟となっています。これはこの制度を代用するような利用方法ではないでしょうか。

ついで二番目に多い理由ですが〝施設入所などの介護保険契約〟になります。施設に入る際の契約書については親族が代筆すればよいと思いがちですが、そういう訳にもいかないようです。

理由は判断力が低下していても本人が〝成人〟である以上、親族が本人を代理する権利は認められていないのだそうです。そのため後見人を立てる必要があるようです。

それ以降は、身上監護、不動産の処分、相続手続きなどがランクインしています。

まとめ

成年後見制度について調べてみた結果改めてわかったことは、

⑴成年後見人は、事前に決める任意後見と、その時決める法定後見がある。

⑵後見人を立てると医師や税理士、公務員などの資格や立場を失うことになる。

⑶訪問リハビリの時に後見人さんがいたらしっかり挨拶しましょう。

コメント