自宅を便利にするために掛かる費用

気づいたこと

住みやすい家にするために

自宅に退院された利用者さんのなかには、しばらく生活をすることで改めて〝不便さ〟に気づくことがよくあります。

理由は、入院中にリハビリを取り組んでよいコンディションで自宅に退院するものの、不慣れな自宅の環境に適応するまでに時間を要してしまう点にあります。

ちなみに詳細は忘れてしまいましたが、過去に読んだ文献の中には、自宅の生活に慣れるまでに〝3ヶ月〟を要するというデータが掲載されていました。

〝住み慣れた家〟ではありますが、障害の残る身体で暮らしてみると必ずしも〝住みやすい家〟ではないというのが現実のようです。

そこで今回は、実際に訪問リハビリで伺った利用者さんに聞いたエピソードを踏まえ、退院後に行なった自宅の改修についてまとめてみました。

玄関の施錠を遠隔で行えるようにする

マンションから一軒家に引っ越しをされた利用者さんのお宅は、リビングスペースが二階にあったため鍵の開閉が一手間となっていました。

歩行が不安定な利用者さんにとって、階段の往復と玄関の段差昇降に要する時間と労力を解消すべく、遠隔で行える施錠システムの導入でした。

調べてみると、車のキーと同じ要領で二階からリモコン操作をするだけで、一階にある玄関の鍵を遠隔操作できる改修があることがわかりました。

ドア自体は交換する必要がなく、鍵の部分を交換するのみで工事は数時間で終了します。これでお値段は8万円ほどで施工してもらえるそうです。

階段に電動リフトを設置する

こちらのケースは、階段昇降が困難になった方で寝室が二階にあるタイプの住宅で多く生じる問題ではないでしょうか。可能であれば一階に寝室を設ける方が多いと思います。

それでも居住空間のスペースや家庭内の事情により寝室の移動が困難な場合、階段に電動リストを設置することになります。

私が伺っている利用者さんのお宅にも階段用の電動リフトが設置されており、試乗させてもらったことがあります。

肘掛のついた椅子に座りボタンを押すだけでリフトが稼働します。発信前には〝ピ、ピ、ピー〟と電子音で動くタイミングを教えてくれます。

意外とスピードが出るため初めて乗ると少し怖い印象を受けますが、高齢の利用者さんは慣れた手つきで使いこなしていました。

階段昇降リフトにも様々な機能や昇降方式があり、料金は50万円から150万円までそれぞれありますが、標準的な工事であればいずれも1日で設置が完了するようです。

自宅にエレベーターを設置する

私は約10年くらい訪問リハビリの分野で仕事をさせてもらっていますが、自宅にエレベーターが設置されている利用者さんは3人しかお会いしたことがありません。

エレベーターを設置しているお宅に共通していたことは〝3階建〟と〝資金がある〟という点です。やはり一般的な家庭でエレベーターを後付けする難易度はかなり高いです。

ちなみに自宅に設置するタイプを〝ホームエレベーター〟と呼びます。

エレベーターのタイプは二人乗りから三人乗りのサイズが主流となっており、畳一畳ほどのスペースで設置できるものもあるようです。

工事費用はエレベーターのサイズにもよりますが、本体価格と合わせて400万円〜700万円で設置することができます。

本体価格は同じですが、新築の工事表は50万円ほど、後付けの場合では工事費用が2倍〜3倍ほど掛かってしまいます。

値段にして約100万円から150万円ほど差が生じる背景には、住宅の改修・補強に要する費用が掛かってしまうようです。狙うは新築前のホームエレベーター設置検討が一番安く済むようです。

まとめ

利用者さんが行なっている自宅の便利設備は、

⑴鍵をリモートコントールできる機能交換すると約8万円。

⑵階段に電動リフトを設置するには50万円から。

⑶自宅のホームエレベーターは400万円からと桁違い。

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