介護予防事業に携わってみて思うこと

気づいたこと

介護予防の魅力

私がリハビリ病院に勤務をしていたころ、行政からの委託を受けて〝介護予防事業〟のお手伝いをさせてもらっていました。

自治体ごとに制度は異なりますが、私の場合は毎月一回、公民館に出向き、保健師さんとともに健康チェック、体操、創作活動などを行っていました。

介護予防事業に参加できる方は一定の条件があり、介護保険の申請結果が非該当たった方、自分で会場まで来ることができる方、介助なく歩行することができる方が対象でした。

経験が浅かった当時の私には、介護予防事業への関心もそれほどなく過ごしていたことを思い出し、今となってはもっとしっかりと経験しておけばよかったと後悔しています。

そこで今回は、最近の介護予防事業について調べてみることにしました。

私が携わっていた介護予防事業

私が携わっていた介護予防事業の内容は、毎月の介護予防体操、レクリエーションに加えて以下の事業に取り組んでいました。

半年に一回、返却立位、歩行速度、握力、体前屈などの身体機能測定、歌や集団で作業を分担して行う創作活動を行っていました。

特に歌や創作活動については、年に一回開かれる介護予防事業の発表会が企画されており、各地域で取り組んだ事業内容を発表する場が設けられていました。

介護予防だけあってみなさんお元気な方が多く、病院で行うリハビリとは違った関わり方を学ぶことができました。

近年の介護予防事業

介護予防事業については2015年に大きな制度改革が行われ、65歳以上の方、要支援者の方であれば誰でも介護予防事業を利用することができるようになりました。

〝総合事業〟という新しい制度により介護保険から要支援者が切り離されました。

その結果、今まで自治体で行っていた介護予防事業と訪問介護や通所介護などの一部の介護予防給付サービスが合体して〝総合事業〟となったようです。

これまでの介護予防と大きく異なる点は、民間企業やボランティア、NPO法人などの団体もサービスを提供できるようになりました。

行政だけではなく、地域のみなさんで要介護にならないように支えていきましょうという方針が〝総合滋養〟の目的のようです。

実際に行われている事業内容

私が住んでいる自治体の介護予防事業について調べてみました。基本的に自治体の介護福祉関連の部署で管理しているためホームページですぐに確認できます。

具体的には、介護予防体操、転倒骨折予防体操、尿失禁予防対応、認知症予防体操など、症状や目的によってコースが分けられています。

利用料金については2,000円から3,500円となっており、手芸や食事を楽しむコースでは材料費の分だけ高い料金設定となっています。

団地や町内会の掲示板にチラシが貼られていることが多く、申し込みは主催している団体や行政の担当窓口に問い合わせをすることで確認できます、

セラピストの出番かと思いきや

私個人の考えでは、こうした介護予防事業への取り組みは、理学療法士や作業療法士が適任ではないかと思っています。

ただ、介護予防事業への参画という意味では、理学療法士や作業療法士は少し出遅れているような印象もあります。

近所の戦闘を利用した際、番台の前に貼られていたチラシが目に入りました。

〝銭湯で行う健康体操〟と銘打ったチラシには、銭湯を間借りして介護予防体操の開催が予告されていたのですが、その事業を担っていたのが鍼灸マッサージ師の団体たったのです。

こうした事業への企画・行政への売り込み活動は、理学療法士や作業療法士の団体は一歩遅れているのではと声を上げている人もいるようですがまだまだ危機感はないようです。

自分たちが行っている仕事の存在感を示すことはもとより、適材適所でセラピストの役割が果たせるようになることが望ましいのではないでしょうか。

まとめ

最近の介護予防事業への取り組みを調べてみた結果、

⑴介護予防事業は2015年の65歳以上であれば誰でも利用できるようになった。

⑵自治体以外にも、民間企業、ボランティアなどの団体も事業に参加できるようになった。

⑶理学療法士や作業療法士の役割が大きい気もするが、売り込む努力も必要に時代に。

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