様々な人生模様
私が訪問リハビリで伺う利用者さんのなかには、自分がいなくなった後のことを考えて〝終活〟の準備をされている方がいます。
終活を始めるきっかけは人それぞれですが、特に訪問リハビリの利用者層は高齢者の方が多いことに加え、病気や身体機能の低下の影響からより一層終活を意識するようになるそうです。
訪問リハビリでは利用者さん自ら終活の話を聞かせてくださることも多く、デイサービスなどでも他の方々と話題に上がる内容だそうです。
少し前にブームになった終活本についても購入されている方がおり、遺言の書き方やお葬式の準備に取り組まれる方もおりました。
そこで今回は、訪問リハビリで出会った利用者さんが抱えている〝終活事情〟について印象に残っている出来事をまとめてみました。
遺産相続
利用者さんのなかには、現役の頃に努力を重ね社長職を務めていたり、多くの不動産を所有されているかたもいらっしゃいます。
こうした富裕層の方が終活をする時に気に掛けていることのひとつに〝遺産相続〟が挙げられます。一般市民からすると羨ましい悩み事にも思いますが。
ある利用者さんは、二人のご子息に対して遺産の分配比率を検討されていました。その分配比率の目安が〝老後の寄り添い方〟を基準にしたそうです。
あるご子息は利用者さんと同じマンションに部屋を購入し夕食や買い物、外出機会を共に過ごすなど熱心に面倒を見てくれているそうです。
一方もう一人のご子息は、顔を見せに来る頻度が少なくなぜか利用者さんの〝施設入所〟を熱心に勧めてきたそうです。
このようなご子息の行動を見比べ、熱心に介護をしてくださるご子息に多くの遺産を相続してもらおうと遺言書の作成を勧めているようです。
身辺整理
脳梗塞により車椅子生活を余儀なくされていた利用者さんのお宅へ訪問リハビリに伺っていたのですが、そこでも終活の話題が取り上げられました。
利用者さんは骨董品集めをされており、自宅の二階に骨董品のコレクションを保管していました。
そのため車椅子生活になってからは二階へ上がることが出来ず、骨董品の取り扱いができない状況になってしまいました。
階段に昇降リストの設置を提案してみまいたが、階段の設計上設置することができませんでした。
同居されているご家族も骨董品の価値がわからないため、安易に手出しができず元気なうちにこうした趣味の品を処分しておくべきだとおっしゃっていました。
葬儀費用
ある利用者さんが葬儀会社の広告に〝お葬式の早割〟というサービスを発見して申し込みを考えているという話をしていました。
サービス名を聞いた時は不謹慎なサービスだと怒ったようですが、詳しい内容を把握してみると、自身が亡くなった後のこと考えるよいきっかけになったそうです。
ちなみにお葬式の早割とは、申し込みから1ヶ月後にサービスが適用され期間に応じて2年間料金の割引を受けることができます。
まとめ
利用者さんの終活事情について話を聞いてみると
⑴遺産相続は最後まで良くしてくれた家族に多く相続される。
⑵大切なコレクションだからこそ元気なうちに整理しておく。
⑶葬式の早割サービスが誕生する時代について色々と思うこともある。d
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