利用者さんの声
私が以前勤務をしていた訪問看護ステーションでは、毎年決まった時期に〝満足度調査アンケート〟を行っていました。
アンケートの内容は、サービス内容、訪問時間、身だしなみ、言葉遣いなど、普段の業務内容を5段階評価で判断してもらいます。
〝不満・やや不満・普通・やや満足・とても満足〟の5段階です。
アンケートをを行う方法については、匿名性を高めるために切手のついたハガキを担当スタッフが渡して、利用者さんに記入・投函をお願いする形で実施していました。
私自身もアンケートの集計作業をて手伝っていたのですが、その内容をご紹介します。
リハビリの満足度について
訪問リハビリの内容に関する満足度は、〝普通〟と答える意見が多く、また、〝満足〟以外にも〝不満〟という意見も多く寄せられていました。
リハビリの内容についての満足度というのは、リハビリの〝結果〟よりも〝内容〟に対する部分に評価の視点が置かれている印象でした。
自由記載欄には、〝リハビリの内容が一方的〟〝歩く練習ばかりやらされている〟といったセラピストの接し方が不満の原因となっているようでした。
セラピストとして知識や技術に長けているスタッフでも、利用者さんの同意や理解が得られないまま進められるリハビリは〝やらされている〟という感情を抱かせてしまうようです。
訪問時間や訪問中のマナーについて
リハビリ以外の内容に関する満足度では〝訪問時間が守られていない〟という意見が寄せられており、遅刻はもとより、数分早めに切り上げているスタッフに苦言が呈されていました。
なかにはスタッフ名指しで〝訪問時間が短すぎる〟という意見も聞かれ、実際にそのスタッフの動向を調査したところ、予定時間より15分も早く切り上げていた事実が判明しました。
その後そのスタッフが退職したことは言うまでもありません。
良い評価のアンケートに共通していたこと
満足度調査のアンケートで高い評価をしてくださる利用者さんの多くは、自由記載欄に担当スタッフの名前や感謝のお言葉を頂戴していることが多くあります。
また、そうした結果を頂けるスタッフには共通点も多く、会社内でも周囲に気遣いができていたり、細かい部分にも目を向けられる人という特徴がありました。
さらには担当スタッフにアンケートを手渡しする利用者さんもおり、こうしたケースでは高い評価を頂けています。悪い評価では手渡しすることはできませんが。
アンケートを行ってわかったメリット
満足度調査のアンケートを行う一番の目的は、利用者さんのが直に聞けることです。匿名性にすることでさらに率直な意見を聞くことができます。
もう一つの目的は、担当スタッフが気を引き締めてリハビリに取り組む姿勢が生まれることです。
病院のリハビリであれば、同僚なり病棟の看護師さんなり周囲の視線がある中でリハビリを行います。。一方の在宅では、基本的に利用者さんとスタッフの二人きりしかいません。
すると、自身の仕事を客観的に評価できる人は、同僚でもなく看護師さんでもなく利用者さん本人しか存在しません。
自己都合や希望的観測に基づいて誤った解釈をしやすい訪問リハビリの環境にとって、利用者さん自身の意見を発信する場を設けることはそれだけでも十分に効果があります。
定期的に利用者さんの意見が通る環境を設けることは、訪問リハビリに従事するスタッフが気を引き締めて仕事に臨むことができるよい刺激になっているのかもしれません。
まとめ
訪問リハビリの満足度調査アンケートをやってみたら、
⑴リハビリにとても満足している人は少なく、不満を持っている人が多くいた。
⑵サービス内容よりも、相性や接し方に対する意見が多く聞かれていた。
⑶アンケートを定期的に実施することで働くスタッフも気を引き締めて働く。
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