出会いの瞬間が勝負
リハビリを提供する際に大切なことは、知識や技術だけではありません。まず一番に大切なことは〝第一印象〟と言われています。
これはリハビリに限ったことではありませんが、利用者さんの身体に直接触れる仕事だからこそ、この第一印象は意識して接しておきたいところです。
初めてお会いする利用者さんでは、こちらが利用者さんの評価をしているように、利用者さんからも人間性を評価されています。
私自身も見た目がよい方ではないため、利用者さんと信頼関係を築いていくために第一印象のよい立ち振る舞いに努めるようにしています。
第一印象は0.2秒で決まる
リハビリスタッフ向けの講習会などでもよく教えてもらう内容ですが、初対面でその人の印象が決まる時間は0,2秒と言われています。
これだけ一瞬の時間で判断できるということは、自分でじっくり考えるというより本能や直感に近い形で決断を下していることになります。
さらにそこから〝視覚情報55%・聴覚情報38%・言語情報7%〟の割合で、どのような人物なのか評価しているそうです。
これは、アメリカの心理学者メラビアンさんによって提唱されたため、〝メラビアンの法則〟という呼び方をされています。
どれだけ素敵な話をしていてもその評価はわずか7%しか判断材料として使われていないと考えると、ノンバーバルなコミュニケーションの大切さを再認識されられます。
視覚情報を活用するには
視覚情報といっても単純に容姿のことを指しているわけではなく、会話の中で発生するリアクションの取り方なども含まれます。
例えば、うなずく仕草は話をしっかりと聞いているサインとして伝わったり、会話の中でメモをとる仕草をすれば内容を理解しようと努めている印象を与えることができます。
また、しっかりと目を見て会話をするだけで相手は真剣に話を聞いてくれていると思ってもらたり、仕草ひとつで印象を大きく変えることができます。
聴覚情報を活用する
聴覚情報とは、声のトーンや大きさ、会話のテンポや口調の様子を指しています。高齢者の方と会話をする時は、低く・大きな声・ていねい・ゆっくりで話すとよいと教わった記憶があります。
でも実際に現場に出てみると、高齢者の方々にも個性や好みがあり、あまり大きな声で話されることを嫌がる方もいるので注意が必要です。
また、大きな声で話していると気づかないうちに荒い口調になってしまうこともあります。声の大きさばかりに気を取られずに丁寧な口調にもしっかりと意識を向けておきます。
言語情報を活用する
相手の名前を交えながらコミュニケーションを取ることで、安心感や信頼感が満たされやすくなり、相手の印象を良くすることができます。
また、名前を呼ぶ時は利用者さんの苗字ではなく名前を呼称するとよりよい信頼関係へ繋げることができます。相手の懐に入り込みたい時は名前で呼ぶことを忘れずに実施してみましょう。
よい印象を保つために
利用者さんとの会話中にしっかりと相槌を打って返事をしているのにも関わらず、気難しい顔をして話を聞いていたのでは印象はよくありません。
また、こちらも利用者さんの表情や態度から接し方を調整することも大切です。会話中に渋い表情や会話をしたくなさそうな仕草がら見られたら、その話題はやめてもらいたいというサインかもしれません。
評価や治療に集中したい気持ちもわかりますが、リハビリ中は常に利用者さんとのコミュニケーションは続いているという認識を持って介入していくことが大切です。
まとめ
初対面で第一印象を良くするには
⑴第一印象はわずか0,2秒で決まるため、出会う瞬間に気合を入れる。
⑵視覚情報、聴覚情報、言語情報を活用する手段を身につける。
⑶介入中は常に評価されているということを意識して接する。
コメント