訪問リハビリだからこそ大切なこと
リハビリを実施する際、患者さんや利用者さんとの距離感を図るうえで大切な要素のひとつに〝コミュニケーション〟が挙げられます。
特に訪問リハビリを実施する環境では、利用者さんとマンツーマンで行うことが多いためセラピスト自身のコミュニケーション力が大きく影響してきます。
利用者さんのなかには、リハビリの技術ではなくコミュニケーション力不足が原因でリハビリを拒否される方もいるくらい大切な部分だと言えます。
また、リハビリに対して拒否的な利用者さんに対してもコミュニケーションひとつでやる気を引き出し、リハビリの成果を高めることも可能となっています。
そこで今回は、利用者さんとコミュニケーションを図る時に気をつけておいきいポイントについて、まとめてみました。
バーバルコミュニケーション
セラピストとして仕事をしている方の多くはすでに理解されている内容かもしれませんが、コミュニケーションのひとつに、バーバルコミュニケーションという言葉があります。
これは言語的コミュニケーションともいい、主に言葉や文字を介して行うコミュニケーションです。直接的な会話以外にも、メールや手紙などの視覚的な情報も含まれます。
利用者さんに対して〝今日の調子はどうですか〟〝痛いところはどこですか〟といったやりとりがバーバルコミュニケーションとして成立しています。
ノンバーバルコミュニケーション
言語的なやりとりのバーバルコミュニケーションに対して、言葉を介さないやりとりのことを〝ノンバーバルコミュニケーション〟と言います。
〝非言語的コミュニケーション〟ともいわれ〝表情〟〝声のトーン〟〝行動やしぐさ〟などの情報をもとにコミュニケーションを図ります。
リハビリ場面でいえば〝浮かない表情だけど調子が悪いのかな〟〝この運動で顔を顰めているから痛いのかな〟といった利用者さんが発するサインをもとにコミュニケーションを成立させています。
ノンバーバルコミュニケーションの重要性
リハビリ場面では、言語的コミュニケーションよりも非言語的コミュんケーションの方が重要だと言われています。
利用者さんとの信頼関係を構築する際、言語的なコミュニケーションだけでは十分な関係性が築かれることはありません。
利用者さんを思いやる気持ちやリハビリに対する熱意を伝える時も、直接言葉に出さずにノンバーバルコミュニケーションを活用することが大切です。
また、利用者さんが声に出さずに発しているサインも見落とさないようにしっかりとキャッチすることで、より深い信頼関係を築くことができます。
利用者さんも見抜いている
私が勤務していたステーションに、利用者さんとのコミュニケーションがうまく築けずコーチングの研修会に参加をしてきた同僚がいました。
そこでは〝何秒ごとに相槌を打てば話を聞いているサインが出せる〟などのテクニックを教えてもらったそうですが、実践では通用していませんでした。
上辺だけのやりとりだけでは通用しない理由は、利用者さん自身もセラピストの声のトーンや表情から伝わる情報をしっかりと捉え、信頼できる人間なのかを評価しているからです。
〝コミュニケーションを図るにはこうしたらよい〟といった方法論に頼っていては、いつまでたっても本当の信頼関係は築けないということなのでしょうか。
まとめ
利用者さんとの信頼関係を築くためには
⑴コミュニケーション力を高めて信頼されやすくする。
⑵バーバルコミュニケーションとノンバーバルコミュニケーションを駆使する。
⑶上辺だけのやりとりは利用者さんにバレているので注意する。
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