いつもの習慣が大きな事故に繋がることも
訪問リハビリの分野で仕事をしていると、自宅に伺うと〝利用差さんがケガをされていた〟というケースに遭遇することがあります。
生活動線上の転倒や転落といった事故であれば、比較的リスクの高い個所を把握して未然に防ぐための対策や注意喚起を促すことができます。
ただ、利用者さんの中には〝なぜそんな場所で〟〝なぜそんな恰好で〟という意外なシチュエーションでも事故が発生することがあります。
その経緯を詳しく聞いてみると、本人としては理にかなった行動だったようなのですが、その結果思いもよらない展開になってしまうこともあるようです。
そこで今回はは、自宅で気を付けたい生活習慣の注意点についてまとめてみました。
ドアに寄りかかって転倒
歩行が不安定な方に多くみられるケースですが、手すりの要領でドアノブを掴み、ドアの可動とともにバランスを崩してしまう事態です。
ドアがしっかりと閉まっていればある程度体重を預けても問題ないのですが、半開きのドアやドアノブじ手を掛けてしまうと動いてしまうので注意が必要です。
当たり前のことのように思うかもしれませんが、歩行が不安定な方がバランスを崩しそうになった瞬間、ドアノブが目の前にあれば掴んでしまいたくなるのも当然だと思います。
また、玄関入口に設置されている〝門扉〟にも同様の注意が必要です。
特に門扉の前に段差がある自宅では、段差に足を取られ不意に門扉に手を伸ばしたものの、扉が可動して指が挟まれ出血されていた方もおりました。
上がり框に座ってしまった
玄関から家の中に入る際、多少なりとも段差が設けられています。これを〝上がり框〟というのですが、この段差にも注意するポイントがあります。
段差が低い上がり框の場合には気を付けて上り下りをしてもらえれば問題ないのですが、高い段差を設けている上がり框には思わぬ落とし穴があります。
私が担当している利用者さんは玄関で宅配便を受け取った際、普段のクセで40㎝の上がり框に座ってしまいました。すると、そこから立ち上がれない事態が発生しました。
今まで通りであれば簡単に立ち上がれていた高さでしたが、退院後間もない利用者さんには自力ではどうにもなりません。
利用者さんは長座位のまま部屋中を右往左往しているところを外出から帰ってきたご家族に発見されたそうです。
階段昇降
階段昇降にも注意が必要な点があります。階段を昇る際に〝踏み面〟の出っ張った部分に足の指をぶつけてしまうケースがあります。
特に退院後の利用者さんに多く、思っていたよりも足を高く上げることができずにぶつけてしまうようです。
見た目は地味ですが、実際に現場を目撃すると本当に痛そうな感じが伝わてってきます。
ベッド上で四つ這い位
利用者さんが筋力トレーニングを紹介するテレビ番組を見ていた際〝これならできそう〟と思いベッド上で四つ這い位になったそうです。
トレーニング後に姿勢を戻そうとしたのですが、左右のどちらにも重心移動をすることができなくなってしまい。身動きが取れないまま大声でご家族を呼んだそうです。
家族は笑いながら介助をしてくれたそうですが、ご家族が万が一外出していて不在だったことを考えると大きな事故に繋がりかねない事態となっているところでした。
まとめ
生活習慣や動作のクセで注意しておきたいポイントは
⑴手すりや伝い歩きはしっかりと脚が固定されているものを使う。
⑵今まで出来てきたことが出来なくなってくることに気づく。
⑶リスクに繋がりそうなポイントを事前に見極める。
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