訪問リハビリと下肢装具
訪問リハビリの分野で仕事をしていて対応に困ってしまった相談事のひとつに〝装具の修理や調整依頼〟が挙げられます。
とりわけ、私は下肢装具の取り扱いはそこまで得意ではありません。なぜそうなってしまったのか思い当たる節はいくつかあります。
病院に勤務をしていた頃は提携している義肢装具屋さんが定期的にリハビリ室を訪れ、装具の調整や相談に乗ってもらっていました。
また、私は作業療法士という仕事柄装具の調整、専ら下肢装具の調整や修理については理学療法士が担ってくれていたというのもあるかもしれません。
さらに訪問リハビリという環境では、病院や装具屋さんと密な連携がない限り装具の取り扱いにも限界があります。
そこで下肢装具の取り扱いについて、過去に試みた様々な手段についてまとめてみました。
主治医のいる病院で対応してもらう
利用者さんから装具の修理や調整を依頼された場合、まずは主治医がいる病院で対応が可能かどうか確認をしてもらいます。
主治医のいる病院で入院やリハビリを受けていた場合、装具の処方や制作にも携わってくれているケースがほとんどではないでしょうか。
定期受診のタイミングで対応してもらえれば一番円滑に事が進みますが、装具屋さんがその日に来訪していない可能性もあるので事前確認をしておいたほうがよいと思います。
この一連のやりとりの仲介役を担うだけでも利用者さんやご家族には心強いサポートとなります。
装具の修理ができる靴屋さんに持ち込む
これは私が実際に対応をした際に取った方法です。その利用者さんは主治医のいる病院では装具の取り扱いは行なっていませんでした。
また、装具を製作した際に入院をしていた病院も他県にあったため依頼できるところがない状況でした。
そこで、インターネットで装具の修理ができる店を調べたところ、偶然近くにあるオーダーメイドの靴を作成している店舗が見つかりました。
試しに電話をしてみると対応にも手馴れている様子で、修理に要する期間や費用、出張サービスがあることなどを説明してもらいました。
私がその店舗に装具を持ち込み、次回訪問する前に引き取ってくる形で無事に完了することができました。修理内容はベルクロの張り替えで2,500円くらいの料金でした。
デイサービスにいるセラピストに頼む
これも私が実際に利用者さんに相談を受けた際に対応した出来事です。利用者さんが〝ゲイトソリューション〟で足継手の調整を依頼されたことがありました。
私自身、一度も足継手の調整など行った事がなかったため下手に調整をするよりも対応可能なセラピストに依頼できないものかと考えていました。
そこで利用者さんが通っているリハビリに特化したデイサービスで対応可能か連絡を取ってみたところ、理学療法士の方が専門知識を有していることがわかり、対応してもらうことができました。
偶然とはいえ、職場の垣根を超えて連携を図ることで課題解決に繋げることが出来ました。
任せる勇気も忘れずに
本来であれば訪問リハビリの間で完結できるよう対応していければよいのですが、事柄によってはそうは行かないケースが多くあります。
とりわけ装具や福祉用具の取り扱いについて知識やスキルがない場合は、勇気を持って専門家に相談をすることが良策だと思います。
不確かな技術で介入した結果事故を招いてしまうことほど残念なことはありません。特に装具に関しては治療用具の取り扱いであることを意識しておく必要があると思います。
まとめ
訪問リハビリで装具の修理を依頼されたら
⑴まずは主治医のいる病院で対応できるか連絡を取ってみる。
⑵近所に修理を請け負えるお店がないか調べてみる。
⑶調整や修理を頼まれたら無理せず専門家に任せてみる。
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