転職した理由を考える
私は今まで2回転職をしてきました。初めて就職する時は人間関係のストレスがないことと基礎をしっかりと学びたいという思いから、臨床実習でお世話になったリハビリテーション病院に決めました。
人生初の転職はその4年後です。訪問看護ステーションに転職を決めたのですが、理由は訪問リハビリの経験を本格的に積んでみたいという思いでした。
キャリアアップを図りたいといえは聞こえがよいですがそんな感じで転職を決断しました。
2回目の転職に関しては、訪問看護ステーションから訪問看護ステーションへの転職となりました。理由は〝働きやすさ〟でした。
会社がちょうど業務拡大を図っていた時期に入職をしたため、私の入職後にもスタッフがどんどん増えていったことと通勤時間が長すぎたことが原因でした。
自分が転職する側であればこのような理由が思い当たりますが、会社側として人材を確保しなければいけない立場になると話は変わってきます。
というわけで、世の中の人々が転職を決断する理由をもとに、離職率を減らすにはどうしたらよいのかという点についてまとめてみました。
離職した本当の理由
私が参加したマネジメントに関する研修会の内容に興味深いデータがあったのでご紹介します。ある企業の調査で転職経験者にアンケートをとったそうです。
会社には〝家庭の事情〟や〝ほかの分野で働きたい〟といった理由を伝えて退職している人が多いようですが、本音ではなかったようです。
退職理由の本音で一番多かったのが人間関係で全体の約30%。次に労働時間や労働環境に対する不満が続き、以外にも給与や仕事内容に関する不満は10%にも満たない結果がでたそうです。
このことから、会社を辞めていく理由は〝人間関係〟が一番の要因だということが見えてきます。実際に私が勤務している訪問看護ステーションでも同僚の多くは似たような事情で辞めていきます。
退職をしたスタッフに個人的に話を聞いてみると〝気分屋の上司や同僚がいて気疲れする〟〝スタッフ同士の言い争いが始まると空気が重い〟という人間関係や雰囲気に対する不満が聞かれていました。
手に職の仕事だからこそ
訪問看護ステーションの場合、理学療法士や作業療法士はもとより、看護師の求人はいつの時代でも売り手市場が続いています。そんな状況で働きにくい職場だと思われたらどうなるでしょうか。
職場に不満のある看護師さんは〝我慢して働こう〟とか〝よい環境にしよう〟という行動を起こす前に会社を辞めていきます。なぜなら引く手数多で転職先に困ることがないからです。
このことに気がつけるかどうかで、その訪問看護ステーションが繁栄していくかどうかが決まるといってもよいのでしょうか。
私の職場の場合、求人募集には力を入れて取り組んでいるものの、現時点では職場の環境や上司の立ち振る舞い、明るい雰囲気づくりといった点では未だに努力が必要な状況にあります。
そんな会社が取り組める働きやすい環境づくりとは具体的になにをしたらよいのでしょうか。
働きやすい職場を作るには
まずは会社内の〝風通し〟を良くすることが大切といわれています。いくら風通しのよい職場にしましょうとスローガンを掲げても大きな改善は期待できません。
大切なのは管理者の教育とスタッフのストレスチェックを行う機会を設けることが大切だそうです。
管理者の教育とは、文字通り管理者としてのあるべき姿を伝え、日頃の立ち振る舞いを振り返ってもらう作業を行います。
特に気分屋と言われるような、日によってテンションにムラがある管理者には注意が必要です。
ストレスチェックについては、定期的に管理者を介さず、直接会社側(経営者)とスタッフが話し合える機会を設けるようにします。日々の業務で溜め込んでいるストレスを吐き出せる貴重な時間と言えます。
上記は取り組める対策のほんの一部ですが、気持ちよく仕事がしたいと思っているスタッフがストレスなく働ける環境づくりに終わりはないのかも知れません。
まとめ
離職理由から考える働きやすい職場とは
⑴会社を辞める理由は人間関係が大半を占めている。
⑵求人ばかりに力を入れるのではなく、今いるスタッフのことも考える。
⑶働きやすい職場を作るには、管理者の教育とスタッフのケアが基本となる。
コメント