入社先の季節
新しい年度に入ると通勤電車がいつもより混雑しているような気がします。おそらく、多くの新卒者の方々が社会への第一歩を踏み出した証なのでしょう。
病院に勤務していた頃は毎年4〜5人の後輩が入職していたことを考えると、訪問看護ステーションにおける人の流れは少なく感じてしまいます。
私が勤務している訪問看護ステーションでは、この時期に新しいスタッフさんの入職はゼロ人でした。というのも常時スタッフを募集していることも関係あるとは思いますが。
つい先日も看護師さんの求人に問い合わせが数件あったのですが、どれも成就することなく他へ行ってしまわれる状況に頭を抱える日々が続いています。
採用の一部に携わるようになってからというもの、働きやすい職場について考える機会が増えているような気がします。
と同時に自然と意識するようになるのが〝離職率〟です。離職率について知識を深めることで、よい職場作りの参考になればと思い調べてみることにしました。
離職率とは
離職率というのは、会社に勤務している人数から退職した人数を割合を計算したものになります。簡単にいえば、10人の会社で3人退職した場合の離職率は30パーセントになります。
ちなみにこの〝離職率〟の算出方法に関する法的なルールは定められていないため、期間や対象者を企業ごとで自由に選定して算出することができます。
たとえば、新卒者が5年以内に退職した場合の離職率だったり、中途採用者の1年以内の離職率だったりと使用する目的によって異なってきます。
ちなみに私が勤務している訪問看護ステーションを例に出すと、私が入職をしてからの3年間で計算した場合、総勢17人のスタッフに対して退職した人は6人いました。
6人(退職者)/17人(総数)=約35パーセントという結果になりました。
業界別の離職率
厚生労働省の雇用動向調査によると、平成29年の平均離職率は〝14.9%〟という数値が出されています。なんと我が訪問看護ステーションは平均値の二倍以上の離職率を示していました。
業種別で見てみると、宿泊業や飲食サービス業の離職率は30%と高い数値が示される一方、反対に建設業や複合サービス業の離職率は低く7〜8%台で推移しているようです。
ところで、気になる〝医療・福祉業界〟の離職率は、14.5%でした。なお、新卒者が3年以内に離職した割合でみると30%を超えています。
いずれにしても、我が訪問看護ステーションの離職率は2倍以上高いという結果でした。
気になる離職理由は
私が勤務している期間に退職された方々の多くは、家庭の事情や結婚による引越しが主な理由として伝えられていました。
ちなみに離職した人にとったあるアンケート結果では〝人間関係〟が圧倒的に多く、次いで〝評価や人事制度〟そして〝社風や給与〟と続いています。
このアンケート結果から、業務内容や生活環境の変化が本当の退職履修ではなく、人間関係や雰囲気などの働きやすさが大切ということがいえるのではないでしょうか。
私が勤務している訪問看護ステーションでも、職場の雰囲気づくりは急務ということなのでしょうか。
資格があるがゆえに
医療・福祉業界で離職率が高い要因のひとつに〝資格〟というものが少なからず影響しているのではないでしょうか。
〝手に職〟がある分、それほど場所を選ばずに仕事ができる反面、職場の人間関係や雰囲気に違和感があればすぐに転職できてしまうわけです。
求人に力を入れることも大切ですが、せっかく入職してくれたスタッフが働きやすい環境作りをしていく努力も怠ってはいけないということなのでしょうか。
まとめ
私の職場の離職率を調べてみた結果、
⑴全国平均の離職率は約15%だった。
⑵新卒者における医療・福祉業界の離職率は約30%だった。
⑶会社を辞める理由を調べてみたら人間関係や会社の雰囲気に原因があった。
コメント