覚えておきたい血液検査の項目

訪問リハのこと

私が苦手としていることのひとつに〝血液検査の見方〟があります。毎年自分の健康診断で項目をチェックしているはずなのに、いつになっても覚えられません。

自分のことだけであればよいのですが、仕事となると話は変わってきます。とりわけ、訪問リハビリという環境では利用者さんから血液検査の見方について質問を受けることがあります。

そんな時、アタフタすることなく検査結果の見方を伝えると同時に、結果から見えてくる身体の状況についても説明できるとより信頼を得ることができると考えています。

そこで今回は基本的な検査項目をもとに検査結果の見方について調べ、自分でもしっかりとした知識として身につけられるようまとめみました。

血液検査でわかること

血液検査について改めて調べてみると、検査でわかることは主に〝貧血・肝臓の異常・腎臓の異常・高脂血症・糖尿病〟の病気について知ることができるようです。

なお、健康診断を受ける数日前に食事を抜いたり運動を始めたりする方がいるようですが、それはあまり意味がないようです。

少しでも体重を減らしたり、血糖値を低くしたいという気持ちも理解できますが、検査結果にはあまり反映されていないようです。体重は少し軽くなっているかもしれませんが。

下手な小細工はせずに普段通りの生活を行い、検査を受ける医療機関の指示通りに検査日を迎えたほうが身体のためにはよい行動といえるのではないでしょうか。

肝臓系の検査項目

〝総蛋白〟は血液中のタンパク質の量を表します。数値が低い場合は栄養障害やネフローゼ症候群、がんが疑われます。数値が高い場合は多発性骨髄腫や慢性炎症、脱水が疑われます。基準値は6.5〜7.9。

〝アルブミン〟は血液蛋白に多く含まれており肝臓で合成されます。低下していると肝臓障害や栄養不足、ネフローゼ症候群が疑われます。基準値は3.9以上です。

〝AST(GOT)〟は筋肉や心臓、肝臓に多く存在する酵素で〝ALT(GPT)〟は肝臓に多く含まれる酵素です。これらの数値が高いと慢性肝炎、急性肝炎、アルコール性肝炎や脂肪肝、肝臓がんが疑われます。基準値は30以下です。

〝γ-GTP〟は肝臓や胆道の異常を示す数値です。数値が高い場合は、アルコール性肝炎障害、慢性肝炎、薬剤性肝障害が疑われます。基準値は50以下です。

腎臓系の検査項目

〝クレアチニン〟はクレアチンというアミノ酸が代謝されたあとの老廃物の数値です。腎臓で濾過されて尿中に排出されます。この数値が高いと腎機能の低下が疑われます。基準値は男性で1.00以下、女性で0.70となっています。

脂質系の検査項目

〝HDLコレステロール〟は善玉コレステロールと呼ばれています。血中の悪玉コレステロールを回収する大切な役割を担っています。数値が低いと脂質代謝異常や動脈硬化のリスクが高くなります。基準値は40〜119となっています。

〝LDLコレステロール〟は悪玉コレステロールと呼ばれています。この数値が高いと動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高くなります。基準値は60〜119となっています。

〝中性脂肪〟は体内にある最も多い脂肪です。糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものをいいます。この数値が高いと動脈硬化のリスクが高く、低いと低栄養が疑われます。基準値は30〜149です。

糖代謝の検査項目

〝血糖値〟は血液中のブドウ糖の量を数値化したものです。数値が高い場合は糖尿病や膵臓がん、ホルモン異常が疑われます。基準値は100〜125です。

〝HbA1c〟は血中の糖とヘモグロビンが結びついた量を数値化したものです。基準値は5.5以下です。

〝糖尿病〟とは、上記の〝血糖値〟が126以上〝HbA1c〟が5.6以上の時に診断されます。

まとめ

血液検査の見方について

⑴知っておくと利用者さんからの信頼度も高くなる。

⑵なかなか覚えられない項目も頻回に目を通すと自然に頭に入っていくる。

⑶血液検査の結果から身体の状態を推察することができる。

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