デイサービスの利用が訪問リハビリのゴール?

気づいたこと

訪問リハビリではよく聞く話

〝デイサービスを利用できるようになったので訪問リハビリを卒業する〟というケース。訪問リハビリの分野で仕事をされている方であれば、一度くらいはこのような場面に遭遇したことがあるのではないでしょうか。

私の場合ですが、利用者さんが病院から貰ってくる資料の中に〝リハビリのゴールはデイサービスの利用〟と記載されたリハビリサマリーをよく拝見します。その病院の方針なのかはわかりませんが、リハビリを担当していたセラピストの方がそのようにゴールを設定してくれたのだと思います。

また、担当のケアマネジャーさん自身がそのような考え方で訪問リハビリの利用を依頼してくれることも多くあります。〝デイサービスの利用が決まった時点でサービスを終了する〟という前提で訪問するというのは個人的には違和感を感じてしまうのが正直なところです。

デイサービスの利用がコールではなかった事例

基本的にデイサービスを利用したいのであれば訪問リハビリを利用する必要はありません。担当のケアマネジャーさんと利用者さんが協議をして、自分が利用したい曜日やデイサービスごとの特色を踏まえて契約をするだけで利用することができます。

そのため、利用者さんのところに訪問するようになってから1ヶ月も立たないうちにデイサービスの利用が決まり、即座に訪問リハビリが終了したケースがありました。

この時はケアマネジャーさんの意向に沿って進めていたのですが、その後わずか2ヶ月ほどでデイサービスに通うことが出来なくなり、再び訪問リハビリの利用が再開されることになりました。

なぜこのような事態になってしまったのか個人的に整理してみた結果〝デイサービスを利用する目的がなかった〟ことが原因ではないかと思いました。

この利用者さんはデイサービスに通い始めたものの〝行ってもつまらない〟という理由から休憩用のベッドで寝て過ごす日々が続いたようです。次第に〝なぜここに通っているのか〟という思いが込み上げ、利用を拒否されるようになっていきました。

なぜデイサービスを利用するのか

デイサービスを利用する目的は多岐に渡ります。日中の活動量を増やしたり、社会的な交流の場として活用したり、家族の介護負担を減らすという目的も含まれるかと思います。

退院してから3ヶ月の間は、身体機能や日常生活動作能力は一時的に低下すると言われています。在宅生活に慣れるまでにそれだけの期間を要するということなのでしょう。

その間に訪問リハビリを利用して生活動作や住環境、家族の介護負担などの評価を行って必要なサービスを調整していければとても利用的です。

その過程で〝囲碁をしながら楽しく過ごせる時間を設けたい〟〝他者との交流でよい刺激が得られれば〟などと思えばデイサービスを利用すればよいのです。

しかし、そこを飛び越えて〝デイサービスを利用できることが訪問リハビリのゴール〟と考えてしまうと、先ほど紹介したような展開になってしまうのではないでしょうか。

訪問リハビリの役割を明確に

これからも訪問リハビリの分野で仕事をしていると、このような考え方を持っている方と一緒に仕事をすることがあるかと思います。

そんな時〝デイサービスを利用できるまでが訪問リハビリの役割〟ではなく〝訪問リハビリを使ってデイサービスを利用する目的を明確にすること〟という考えでサービスを提供していくことの大切さを学ぶことができたよい経験でした。

まとめ

訪問リハビリとデイサービスの関係は

⑴デイサービスの利用が訪問リハビリのゴールではない。

⑵付け焼き刃のデイサービス利用になっていないかしっかりと確認をする。

⑵訪問リハビリを使ってデイサービスを利用する目的を明確にする。


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