〝やりがい〟だけでは生きていけない
みなさんは、自分が就いている仕事についてどれだけやりがいを感じているでしょうか。なかには〝患者さんが元気に退院してくれれば満足です〟という方もいるかもしれません。
ただ、仕事として取り組んでいる以上生活をしていかなければいけません。そこで自分の〝年収〟についても少し考えてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、今から15年以上も前の話ですが、私が作業療法士を目指すべく入学した専門学校の先生に言われた〝この資格があればくいっぱくれることはない〟という言葉は今でもとても印象に残っています。
資格をとって12年、現在の理学療法士、作業療法士の市場価値はどれほどのものなのでしょうか。
セラピストの平均年収
調べてみたところ、平成28年厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の平均年収は406万円(平均年齢31,8歳)とされています。ちなみに、この数値が高いと思うか低いと思うかはひとそれぞれですが、私は思っていたよりも少ないと感じました。
年収406万円を手取りに換算するとどのくらいの金額でしょうか。手取りというのは、支給された給与から所得税や住民税、厚生年金などの金額を差し引いた金額のことです。
ボーナスが夏と冬で⑵ヶ月分ずつ支給されている職場の場合、406万円を16ヶ月(12ヶ月+ボーナス合計4ヶ月分)で割ると毎月253000円。そこから各種税金が引かれると20万円ちょっとが手取りの金額ということにになります。
ボーナスがない職場に勤めている場合は、406万円を12ヶ月で割ると毎月338000円。そこから税金を引いくと27万円ちょっとが手取りの金額になります。
なお、日本国民の平均年収は427万円(中央値)という調査結果も出ているようです。この中央値というのは、調査をした人の中でその金額をもらっている人が一番多かったという数値のことで、平均値と比べるとより普通に近い値が示されます。
年収が低く感じるのは若い世代が多いから?
私がセラピストの年収が思っていたよりも少ないと感じたのには、やはり統計上でも理由があったようです。それはここ十数年の間、セラピストの養成校が急激に増えていることが関係しているようです。
養成校が増えているということは、当然ですが国家試験の合格者も年々増えています。昔は倍率が高かった入学試験も今では定員割れをしている時代です。それだけ若い人が増えているということは、必然的に平均年収も低く出てしまうということらしいです。
他の医療従事者と比べると
他の医療従事者の職業と比べると、一番は当たり前ですが医師、ついで診療放射線技師、薬剤師、正看護師と続いてセラピストが登場します。
そのあとは准看護師、介護支援相談員、ヘルパーさんという順位からみると、そこそこなお給料を貰っているといえるのではないでしょうか。
私は訪問看護ステーションで勤務をしているので、共に仕事をしている正看護師さんの平均年収もちょっと調べてみたところ、なんと480万円という結果でした。
たしかに看護師さんは医療業界には欠かせない大事な人材なうえ、夜勤もやっています。また、いつの時代でも引く手数多の状況は変わらず、どの求人サイトをみても給与面で優遇されているとろこが多いのも現実です。
そこそこ稼げる仕事
国民の平均年収よりも若干低い数値でしたが、若い人が多い資格という点を踏まえると、年功序列で昇級しているのであればそれほど悪くはないということになります。
また、医療職のなかで比較した場合も決して高くはないものの、そこそこのお給料を貰えていました。これらの現状を踏まえると、専門学校の先生に言われた〝この仕事でくいっぱくれることはない〟という言葉は嘘ではなかったということになるのでしょうか。
まとめ
理学療法士や作業療法士の仕事は
⑴平均年収は406万円だけど、若い人がいっぱいいるから低めの数値。
⑵医療従事者の年収ランキングでも中間くらいの位置付けられている。
⑶手に職があるからこの仕事をしていればくいっぱくれることはない。
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