【介護保険】利用料2割負担の高齢者拡大へ向けた議論の結論は

訪問リハのこと

2025年12月25日に開催された社会保障審議会・介護保険部会では、引き続き「2割負担をお願いする高齢者の範囲を拡大すべきか否か」という議論が進められるなか、結果としては、現時点では結論を出さず「第10期介護保険事業計画のスタート前まで(2026年度内)に結論を出す」という結論が出されました。

「介護保険の利用料2割負担をお願いする高齢者」とは

現在の介護保険制度では〝3年を1期〟とする介護保険事業計画(市町村計画)と介護保険事業支援計画(都道府県計画)に基づき、地域サービスの提供体制の量を確保と、確保するために保険料をどの程度に設定するかなどを決めています。

現行で2割負担となっている高齢者

現行では下記の区分で負担割合が決定されています。

負担割合合計所得(年間)
2割280万~340万円未満
3割340万円

夫婦の場合は〝年金収入+ほかの所得額〟の合計が年間346万円以上で2割、463万円以上で3割負担となっています。

介護保険の財源確保が厳しくなっている一方、論点の1つである「介護サービス利用時の自己負担(利用者負担)を通常は1割であるところ、2割負担をお願いする高齢者の範囲を拡大すべきか否か」という点については介護保険部会で結論が出ていませんでした。

賛成派委員の意見

  • 所得が一定程度ある高齢者には2割負担をお願いして介護費を圧縮する。
  • 結果として『現役世代の保険料負担軽減』を実現すべきである。

反対派委員の意見

  • 利用料の増加で介護サービス利用を控えてしまうのではないか。
  • 結果、重度化を招いてしまう恐れがあり2割負担の対象者は拡大すべきでないか。

2025年12月24日 上野厚労相・片山財務相との折衝

  • 能力に応じた負担と、現役世代を含めた保険料負担の上昇を抑える観点から、利用者負担が2割となる「一定以上所得」の判断基準の見直しを検討する必要がある.
  • 要介護高齢者が必要なサービスを受けられるよう、高齢者の生活実態や生活への影響、2026年度に見込まれる医療保険制度における給付と負担の見直し、補足給付について現在行われている預貯金等の把握に係る事務の状況などを踏まえる。

上記の内容を考慮したうえで、第10期介護保険事業計画期間の開始(2027年度から)の前までに結論を得ることになったようです。

2割負担となる区分(280万円以上)の所得基準を変更すると・・・

2割負担の目安となる280万円の区分を変更して試算した場合

所得基準額2割負担者の増加人数
260万円(夫婦で326万円)13万人
250万円(夫婦で316万円)21万人
240万円(夫婦で306万円)28万人
230万円(夫婦で296万円)35万人

まとめ

介護保険2割負担の高齢者拡大に向けた議論は、

1、現行では収入に応じて区分を設け1割、2割、3割に分けられている。

2、介護保険の財源確保とサービスの持続可能性が焦点となっている。

3、2027年から始める計画に向けて議論が進められている。

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