今回は〝訪問看護指示料〟について、厚生労働省が2025年8月6日に2024年度の診療報酬改定の疑義解釈(その28)を公表しました。現場では〝特指示〟と略されて呼ばれることが多く、急性増悪期、終末期、気管カニューレ、深い褥瘡のケア等で出される指示書のことです。
特別訪問看護指示書にも厳格なルールが定められているため、概要をしっかりと理解したうえで対応していく必要があります。
特別訪問看護指示書とは
特別訪問看護指示書とは、病状の急変や退院直後等、通常の訪問看護より頻繁な訪問が必要な場合に、主治医が交付する指示書のことを指します。
特別訪問看護指示書の概要
・退院日に訪問可能
・期間は14日間(原則として月に1回のみ)
・週に4日以上の訪問が可能
・1日に複数回の訪問が可能
・複数の指定訪問看護事業所が訪問可能
・複数名の看護師による対応が可能
・90分を超える訪問が可能(週に1回)
月に2回の指示が可能となるケース
・気管カニューレを使用している状態にある者
・以下の(イ)または(ロ)のいずれかの真皮を越える褥瘡の状態にある者
(イ)NPUAP(The National Pressure Ulcer Advisory Panel)分類III度またはIV度
(ロ)DESIGN-R2020分類(日本褥瘡学会によるもの)D3、D4またはD5
・特別訪問看護指示加算:100点(訪問看護指示料:300点)
今回の疑義解釈で明確にされたこと
疑義解釈その28では〝特別訪問看護指示加算〟について次のケースで算定可能である旨が厚生労働省により明確化されています。
「表皮水疱症」または「水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症」で、難治性の皮膚病変を有する患者において、新たな皮膚病変に対する処置が必要となる部位が発生するなどして一時的に頻回な訪問看護が必要であると主治医が判断し、当該患者の同意を得て特別訪問看護指示書を交付する場合
聞き馴染みのない言葉 疑義解釈とは
〝疑義解釈(ぎぎかいしゃく)〟とは、主に医療制度における診療報酬算定に関する厚生労働省が出すQ&A資料を指し、医療機関からの問い合わせに基づいて作成されます。ちなみに〝疑義照会〟という言葉もあり、これは薬剤師が処方箋の内容に疑わしい点や不明な点があった場合に、医師に問い合わせる行為を指します。両者とも「疑わしい点」についての解釈や確認を意味しますが、文脈によって対象が異なります。
まとめ
2024年度の診療報酬改定における特別訪問看護指示書の疑義解釈について
1、特別訪問看護指示加算について算定可能な疾患が明確化
2、表皮水俣病と水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症で新たな皮膚病に対しる処置を要する場合
3、上記の事由を踏まえて主治医が判断し、該当患者が同意をした場合

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