2024年に改定された介護保険において、リハビリ専門職が行う訪問回数が看護師の訪問回数を上回る場合に、一回あたり8単位減算されることが決まりました。
介護保険改定直後は料金表の変更や同意書の作成に追われ、深い解釈をせずに一年半が過ぎてしまいましたので、改めてQ&Aを踏まえた厚生労働省の解釈、考え方についてご紹介します。
減算の考え方を明確化
介護報酬改定で決まったこと
2024年の介護報酬改定では、リハビリに関する改定は以下の通りです。
前年度の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の訪問回数が看護職員の訪問回数よりも多い場合
緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算をいずれも算定していない場合
要約すると、訪問看護ステーションで看護師よりリハビリが稼働している場合と、緊急・特別管理・看護体制強化のいづれの加算も算定していない事業所に対して適応されるリハビリの減算処置です。
いくら減算されているのか
介護予防訪問看護(要支援1~2)
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による訪問の場合には、訪問1回につき8単位を所定単位数から減算
※12か月を超えて行う場合
・上記減算を算定している場合には、訪問1回につき15単位を所定単位数から更に減算
・上記減算を算定していない場合は、1回につき5単位を所定単位数から減算(
訪問看護(要介護1~5)
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による訪問の場合には、訪問1回につき8単位を所定単位数から減算

今回のQ&Aで明確化されたこと
療法士の訪問回数>看護師の訪問回数について
「指定訪問看護事業者が指定介護予防訪問看護事業者の指定を合わせて受け、一体的に運営されている場合については合算して数える」との考えが明確にされました。
医療や自費を除き〝介護予防訪問看護+訪問看護〟の訪問回数を合算した数が基準として、リハと看護でどちらの訪問件数が多いかを判断するようです。
規定の加算を算定していない場合について
緊急時(介護予防を含む)訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算((I)、(II)、(予防))ついても〝訪問看護費と介護予防訪問看護費における双方の算定日が属する月の前6月間において、加算の算定実績がない場合に減算対象となる〟という考えが示されています。
介護予防訪問看護と訪問看護ともに、6ヵ月以上加算を算定できていない場合に適応されるようです。
まとめ
リハビリ職における訪問看護の減算について明確にされた解釈と考え方は、
1、リハビリの回数は〝要支援と要介護〟で合算した数が対象となる。
2、指定された加算を6ヵ月以上算定していない場合に減算対象となる。
3、リハビリの稼働で利益を出している訪問看護ステーションには痛手の改定となっている。
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