2024年になってから少しずつ明らかになってきた改定情報ですが、4月に入りおおよその情報が出そろってきました。あとはQ&Aで詳細が判明してくるところです。リハビリやヘルパーの減算が目立つ改定でしたが、2024年も新しい加算が設けられています。
新設された加算
【加算】専門管理加算
算定条件については、都道府県知事に加算の届出を提出した指定訪問看護事業所の緩和ケア、褥瘡ケア、人工肛門および人工膀胱ケアにかかわる専門の研修を受けた看護師または特定行為研修を修了した看護師が、訪問看護の実施に関する計画的な管理を行った場合には、所定単位数に加算する。
専門管理加算 | 単位数 |
介護予防訪問看護 | 250単位/月 |
訪問看護 | 250単位/月 |
医療的ニーズの高い利用者が増える訪問看護の現場では、適切により質の高い訪問看護を提供するため、専門性の高い看護師が指定訪問看護等の実施に関する計画的な管理を行うことを評価する加算が新設されています。
【加算】遠隔死亡診断補助加算
算定条件については、情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の死亡診断加算を算定する利用者について、その主治医の指示に基づき、情報通信機器を用いて医師の死亡診断の補助を行った場合に算定できる。(別に厚生労働大臣が定める地域に居住する利用者に限る。)
遠隔死亡診断補助加算 | 単位数 |
訪問看護 | 150単位/回 |
診療報酬における対応との整合性を図る観点から、離島等に居住する利用者の死亡診断についてターミナルケア加算を算定し、看護師が情報通信機器を用いて医師の死亡診断の補助を行った場合の加算が新設されています。
【加算】口腔連携強化加算
以下の条件を満たしている場合に適用される。
- 事業所の従業者が、口腔の健康状態の評価を実施した場合において、利用者の同意を得て、歯科医療機関及び介護支援専門員に対し、当該評価の結果を情報提供していること
- 利用者の口腔状態の評価を行うに当たって、診療報酬の歯科点数表区分番号C000に掲げる歯科訪問診療料の算定の実績がある歯科医療機関の歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、事業所職員からの相談等に対応する体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていること
口腔連携強化加算 | 単位数 |
介護予防訪問看護 | 50単位/回 |
訪問看護 | 50単位/回 |
利用者の口腔の状態の確認を行うことで歯科専門職による適切な口腔管理の実施につなげる観点から、事業所と歯科専門職の連携のもと、口腔衛生状態や口腔機能の評価を行い、歯科医療機関及び介護支援専門員への情報提供を評価する加算が新設されています。(利用者の同意を得た上で情報提供を行うこと)
新設された減算
【減算】業務継続計画未策定減算
以下の基準に適合していない場合に減算が適用される。
- 感染症や非常災害の発生時において、利用者に対するサービスの提供を継続的に実施するため、あるいは非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画を策定すること
- 業務継続計画に従い必要な措置を講ずること
業務継続計画未策定減算 | 単位数 |
介護予防訪問看護 | 所定単位数の−1/100 |
訪問看護 | 所定単位数の−1/100 |
感染症や災害の発生時に継続的にサービス提供できる体制を構築する観点から、全介護サービスを対象に業務継続計画が未策定の場合に適用される減算です。
訪問看護ステーションの場合は経過措置が設定されており、2025年3月31日までの期間は減算は適用されないことになっています。
【減算】高齢者虐待防止措置未実施減算
虐待の発生又はその再発を防止するための措置(虐待の発生又はその再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めること)が講じられていない場合に減算が適用される。
高齢者虐待防止措置未実施減算 | 単位数 |
介護予防訪問看護 | 所定単位数の−1/100 |
訪問看護 | 所定単位数の−1/100 |
利用者の人権擁護、虐待の防止等をより推進する観点から、虐待の発生又はその再発を防止するための措置が講じられていない場合に適用される減算です。
【減算】理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の訪問回数が看護職員の訪問回数を超えている場合、または特定の加算を算定していない場合の減算
以下の基準のいずれかに該当する場合に減算の適用となる。
- 訪問看護ステーションの前年度の理学療法士、作業療法士または言語聴覚士による訪問回数が、看護職員による訪問回数を超えている場合
- 緊急時訪問看護加算、特別管理加算及び看護体制強化加算をいずれも算定していない場合
療法士の訪問回数や特定の加算に関わる減算 | 単位数 | |
介護予防訪問看護 | −8単位/回 | |
訪問看護 | −8単位/回 |
訪問看護の役割に基づくサービスが提供されるようにする観点から、理学療法士等のサービス提供状況と加算の算定状況に応じ、理学療法士等の訪問における基本報酬の減算が適用されます。
まとめ
2024年に新設された加算・減算についてまとめてみらら、
1、加算については看護師が担う役割が改めて評価されている結果となった。
2、減算についてはステーションの策定業務に加え、リハビリの減算が際立った。
3。リハビリは改定の度に減算されており、ステーション内での存在意義が問われている。
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