2024の診療報酬改定の動き
2024年の診療報酬改定は、医療保険・介護保険ともに改定するタイミングが重なる〝6年に1度〟の年となっています。医療保険は2年毎、介護保険は3年毎に改定が行われています。過去の傾向として、2つの改定が重なる同時改定の年は大幅な改定(改悪)が行われる傾向にあります。
厚生労働大臣の会見
1月30日に行われた記者会見で、武見敬三厚生労働大臣は〝質の高い効率的なケアが実施されるよう議論する〟と述べています。
その背景には、精神科の訪問看護における一部の事業者が診療報酬の不正・過剰な請求を行なっていたことに対する言及だったようです。
どんな方法で診療報酬を不正・過剰に請求していたのか
関係者によると、精神障害や知的障害者を対象として実施した訪問看護サービスで、一律に週3回の訪問を行ったり、早朝や夜間に訪問したように装った事案があったようです。
早朝や夜間の訪問に装うことで発生する加算や、必要以上のサービスを提供していたことが不正・過剰なサービスとみなされたようです。
訪問の頻度は誰が決めているのか
訪問看護サービスを利用する場合、医師の指示書に基づいて提供されることになっています。指示書の内容には、介入する頻度や時間、リハビリに至っては理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のだれが訪問するかまで細かく指示されています。
医師の指示のもとに行なっているサービスのはずが、なぜ過剰なサービス提供とみなされてしまったのでしょうか。
師辞書の内容を指示する事業者
利用するサービスの頻度や内容は、利用者と事業者(訪問看護ステーション)の間で話し合われます。それをもとに指示書の依頼を行うため、実際に医師が指示内容を決めているのではなく、事業者の指示(希望)に沿った内容の指示書を発行してもらっているのではないでしょうか。
そのため、指示書を書いてくれない医師が現れた際は、他のかかりつけ医に依頼をするというケースも少なくありません。
これからも厳しくなることが予想される
武見敬三厚生労働大臣は、診療報酬改定で要件や評価を見直す考えを示したうえで、不正請求があった場合には〝厳正に対処する〟と述べている。
ただでさえ、医療保険・介護保険の財源が厳しくなっている現状で、一部の事業者が行なった不正のせいで全体の首が絞められてしまうのは納得いかない一面もあるが、今後も改定のたびに厳しい評価をされることは続いていくと思うと、この業界で働いていて未来はあるのか心配になってしまう方も多いのではないでしょうか。
兎にも角にも2024年の診療報酬改定の公表を待つばかりです。
まとめ
精神科の訪問看護の要件や評価について厚生労働大臣が言及した出来事は、
1、一部の事業者が不正・過剰な診療報酬の請求を行なっていた。
2、早朝や夜間の訪問を装ったり、一律に週に3回の過剰なサービス提供を行なっていた。
3、これからも診療報酬改定の度に厳しい目を向けられてしまう可能性がある。
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