【ACP】訪問看護と人生会議【Advance Care Planning】

訪問リハのこと

〝人生会議〟という言葉は、訪問看護ステーションで仕事をしている方であれば一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。看護師やケアマネジャーはもとより、これからはPTやOTにもこうした場面に携わる必要性は高くなるのではないでしょうか。

人生会議とは

人生会議とはAdvance Care Planning(アドバンス・ケア・プランニング)の愛称です。頭文字をとってACPと略されています。人生において大切にしていること、望み、どのような医療やケアについて望んでいるかを自ら考え、周りの信頼できる人と共有する取り組みのことをいいます。

人生会議は国が進める政策のひとつ

国の報告書によると、人生の最終段階において医療や介護について、家族や医療・介護従事者と話し合ったことがある人の割合は、平成25年からほとんど変わっていないことがわかりました。

そこで政府は、Advance Care Planningの愛称を〝人生会議〟に決定するとともに、毎年11月30日を人生会議の日と定め、人生会議の普及、啓発を行っています。

なぜ11月30日かというと〝いい見取り・看取られ〟という語呂の良さから来ているようです。

厚生労働省の啓発ポスターも参照してみてください。

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なぜ事前に話し合っておく必要があるのか

自身のこれからについて話し合っておくことのメリットは2つあります。

・自身が望む医療やケアを決める

たとえば事故や病気で命の危険が迫った時、約70%の人が意思決定ができない状態にあるといわれています。事前に人生会議に取り組んでおくと、希望する治療を受けることができます。延命処置(心肺蘇生や人工呼吸)の希望、胃ろうや気管切開の処置などが挙げられます。

・家族や親族の負担を減らす

もうひとうのメリットは、残された家族や親族が不安なまま当事者の治療方針を決めなけらばいけない不安を軽減することができることが挙げられます。

どのように活用すればいいのか

人生会議における明確な課題はありません。話し合いで一番大切なことは、その人の人生を豊かにすることです。たとえばこんなことを話し合ってみてはどうでしょうか。

・家族や友人のそばにいたい

・趣味活動を継続したい

・もしもの時に家族に負担を掛けたくない

話し合いのきっかけは、当事者の〝大切なこと〟と〝してほしくないこと〟から話をはじめてみるとよいといわれています。話し合いを続けるうちに、意外な考えや想いが明確になってきます。

ステップ1:まずは考えてみる

自分が大事にしたいこと、どんな医療やケアを受けたいか考えてみる。

ステップ2:信頼できるひとに話してみる

考えたことについて、信頼できるひと(家族や親族)に相談してみる。専門的な内容については、医師や訪問看護師、ケアマネジャーにも相談してみる。

ステップ3:共有をして残す

話し合ったこと、考えたことを書き留めておく

3つのステップを繰り返し行うことで、相談したひとの意見や知識が加わることで、考え方が変わったり、新しい選択肢がうまれる可能性があります。

こんな資格もあった

ACPを実践するために特別な資格は必要ありませんが、研修や知識のインプットを踏まえて民間の認定資格を取得することもできます。

ACP(人生会議)ファシリテーター要請研修

NPO法人医療・福祉サービス事業者サービス機構が主催している研修です。

東京・名古屋・大阪の主要都市で開催されています。

参加費:15,400円(資料代込)

日程:日曜日開催(9:30~17:00)

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終末期ケア専門士

日本終末期ケア協会が主催している協会認定資格です。

受験資格基準は資格によって異なりますが、2~3年の経験があれば受験できます。

看護師はもとより、理学療法士や作業療法士も受験できます。

※実務経験証明書の提出が必須となっています。

受験料:10,000円

試験日程:3月末~9月中旬までに申し込み 試験日は10月

試験方法:パソコン試験 90分 択一または択多問題

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まとめ

人生会議:Advance Care Planning(ACP)とは

1、自分がどのような医療や介護、最期を迎えたいか事前に考えること。

2、訪問看護の現場でも大きな役割を担っている分野。

3、特別な資格は必要ないが、勉強のついでに資格を取得するのもあり。

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