【2024年】介護保険改定で結論の見送りが決まった議論案

訪問リハのこと

医療保険と介護保険の改定年が重なる年は、例年大きな改定がなされてきまいた。医療保険は2年に一度、介護保険は3年に一度の頻度で改定されており、二つの改定年が重なるのは6年に一度です。

2024年、この同時改定に向けて介護保険でも多くの改定案が議論されています。今回は、介護保険の改定に向けた会議で結論が先送りになった項目について、個人的に気になるものをピックアップしてみました。

介護保険の利用者負担2割に引き上げ

2024年の介護保険改定に向けて議論されていた〝利用者負担の2割引き上げ〟とは、2割負担とする対象者を拡大しようという案でした。現行制度では・・・

3割負担・・・340万円以上の収入がる人

2割負担・・・280万円~340万円の収入がある人

1割負担・・・280万円未満の人

となっていましたが、1割負担(280万円未満)の上限を低くして2割負担になる人を増やそうとしていましたが、政府は結論を来年の夏に先送りする方針を決めたようです。年内に方針が決まらないことは異例で、物価の高騰、関係者からの強い反対の声が影響しているとみられます。

ケアプランを有料化する

現在、介護保険を利用するために作成されているケアプランにも、しっかりと報酬単価が設定されています。利用者負担が〝0円〟なのは、全額が介護保険から支払われているためです。

このケアプランを有料化しようという議論が進められていましたが、これも2027年の介護保険改定まで先送りにされることが決まっています。

ちなみに、ケアプランの作成には資格は必要ありません。本人、家族、知り合いの人が作成することもできるため、有料になるなら自分で作成するという人が出てくるかも知れません。

要介護1・2の介護保険外し

要介護1・2の一部サービスを介護保険からは外そうという案も議論されていましたが、こちらも先送りになりました。〝要介護1・2の保険外し〟と称され反対意見の多い案でしたが、実際に生じるデメリットが多くあるようです。

一番のデメリットは受けられる〝サービスの質〟が低下する可能性がある点です。総合事業とは市区町村が運営基準や報酬を決定します。そのため、財源が少ない自治体では、人材の確保が難しく、専門資格を有さないボランティアが担う事態も想定されます。

また、サービスを提供する介護事業者の報酬が減ってしまう可能性も十分に予想されます。シンプルに要介護1・2の一部のサービスから撤退せざるを得えません。

さらに総合事業に移行したことで十分なサービスが受けられず、状態の悪化からより高い介護度になってしまう人が増える可能性もあります。

財源確保の目的で実施した〝介護保険外し〟が仇となり、かえって財源を圧迫する事態は避けてもらいたいものです。

まとめ

2024年の介護保険改定で議論が先送りされた案は。

1、利用者の2割負担引き上げの対象者を拡大する案

2、ケアプランを有料化する案

3、要介護1・2の一部サービスを介護保険から外す案

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