【要支援】介護予防訪問看護のリハビリ改定まとめ

訪問リハのこと

最近、要支援のリハビリ依頼が増えていきています。

2021年の介護保険改定により、要支援区分における訪問看護(のリハビリ)で大きく方針が変わってからもうすぐ二年が経過しようとしています。実際にルールが変わったことで訪問の依頼内容にも少しずつ変化がみられるようになってきました。

介護予防訪問看護の区分で変更された点

大きな変更点とは2つ

1、介護予防訪問看護において13ヵ月以降は5単位の減算となること。

2、60分以上の介入は100分の50に減算(-50%)となること。

というルールに改定されました。

これにより介護予防訪問看護のリハビリを取り巻く環境は大きく変わり始めました。

経営の視点ではあまり受けたくないのが本音

私が勤務している訪問看護ステーションでは、この改定に合わせて60分で訪問していた介護予防の訪問看護は40分に短縮・または40分を週に2回にすることが決まりました。

また、利用開始から12ヵ月が経過した時点で〝卒業〟と銘打ち、サービスは終了することになりました。

要介護のリハビリと違い、介入時間・期間ともに短くなってしまった介護予防訪問看護は〝稼ぎにくい〟という経営目線では極力手を出したくない区分になってしまいました。

その影響は地域に点在する他のステーションでも同じ対応を取っていたため、要支援区分のリハビリ依頼を受けない事業所が増えています。

結果としてケアマネジャーから電話で依頼を頂く際〝要支援の方ですが受け入れ可能でしょうか〟というフレーズを多く耳にするようになりました。きっと他のステーションで断られてしまい、受け入れ先が見つかりにくい状況が続いているようです。

12ヵ月で円満に終了するケースは少ない

介入時に12ヵ月でサービス終了になる旨を伝えていても、いざ終了の時期を迎えるとサービスの継続を希望される方がいたり、担当のケアマネジャーから〝そんな話は聞いていない!〟と叱咤される事案も発生しています。

実際の現場でも、短期目標・長期目標を設定していても予定通りに目標達成できるケースは少ないと思います。まして1回40分・週に1~2回介入で一年ぴったりに目標を達成できるスキルがあればセラピスト以外の才能が開花している可能性もあります。

12ヵ月経過した利用者さんのその後

私が勤務する訪問看護ステーションでは、12ヵ月を過ぎた方は以下のどちらかで対応しています。

1、サービス終了。

2、看護師に引き継いでサービスを継続する。

ひとつめのサービス終了は文字通り〝卒業〟の名のもとに訪問を打ち切ります。要支援の方なので生活自体は比較的自立されているのですが、利用者のなかには脳梗塞の後遺症から機能回復練習を継続したいけれど・・と泣く泣く終了する方もいます。

ふたつめは看護師が引き継ぐケースです。制度上は看護業務の一端をリハビリ職が担うというのが訪問看護におけるリハビリの位置づけです。そのため、リハビリでできることは看護師もできるというのが建前となっているため、引き継いでもらうこともあります。

リハビリの内容よりも来てもらう安心感を必要とする方が多く利用されているようです。

その他のルール範囲内でできること

ルールの範囲内では、入院期間を経て指示内容が変わった場合はカウントがリセットされるため、改めて12ヵ月のリハビリを利用することができます。実際に数件ですが介入期間を更新された方がいました。

また、他の訪問看護ステーションに引き継ぐという手もあります。私の場合は利用先のデイケアが運営している訪問看護ステーションにバトンタッチしたこともありました。

実際に制度が変わり時間が経過してみると、要支援のリハビリ受け入れが難しくなったり、12ヵ月の終了後ももっとリハビリを続けたかったという利用者さんが多い印象です。必要な方に必要なサービスが行き届くためにもっとよい制度ができることを願うばかりです。

まとめ

介護予防訪問看護のリハビリルールが変更されてからは、

1、介護予防訪問看護の依頼を引き受ける事業所が減ってしまった。

2、12ヵ月で目標を達成して円満に終了することはとても難しい。

3、必要な方に必要なサービスが行き届かなくなってしまった。

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