【2026年】度診療報酬改定で新設される「包括型訪問看護療養費」とは?【令和8年】

訪問リハのこと

2026年度(令和8年度)の診療報酬改定において、訪問看護の分野で注目される新設項目が「包括型訪問看護療養費」です。これは、高齢化の進展に伴う在宅医療・訪問看護のニーズ拡大を受け、「量の拡充」と「質の向上」を同時に目指すために導入されるものです。

今回は、この新しい療養費の仕組み、対象者、算定要件、そして具体的な報酬額についてご紹介します。

新制度:包括型訪問看護療養費

包括型訪問看護療養費とは

「包括型訪問看護療養費」は、高齢者住宅(サービス付き高齢者住宅、有料老人ホーム等)に併設または隣接する訪問看護ステーションが、医療依存度が高い重症の入居者に対し、24時間体制で頻回な訪問看護を1日単位で包括的に評価する仕組みです。

これまでの訪問の都度算定する仕組みとは異なり、1日あたりの定額(包括)評価となる点が大きな特徴であり、効率的な訪問と重症者への手厚いケアの両立を目的としています。

対象となる利用者

この療養費を算定できるのは、高齢者住まいに居住する利用者のうち、以下のいずれかに該当する「重症者」に限定されます。

特掲診療料の施設基準等別表第7に掲げる疾病等の者

末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、ALS、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺等)、多系統萎縮症、プリオン病など。

特掲診療料の施設基準等別表第8に掲げる状態の者

在宅自己腹膜灌流、酸素療法、中心静脈栄養、人工呼吸器の使用、真皮を超える褥瘡の状態など。

特別訪問看護指示書に係る指定訪問看護を受けている者

急性増悪期や退院直後などで、週4日以上の頻回の訪問看護が必要と認められた者。

主な算定要件と施設基準

算定にあたっては、24時間体制の維持や夜間の看護体制など、厳しい基準が設けられています。

【主な算定ルールと施設基準】

項目内容
訪問体制24時間体制で「計画的または随時」の頻回訪問を実施すること。
訪問回数・時間日中(8時〜18時)と夜間帯(18時〜翌8時)に、それぞれ少なくとも1回以上の訪問を行うこと。1日の合計訪問時間が60分以上の場合は、1日3回以上の訪問が必要。
看護職員の関与1日1回以上は必ず看護職員による訪問を含めること。管理者が毎日計画を確認・見直しを行うこと。
夜間の看護配置夜間対応の看護職員を常時1名以上配置。利用者が31〜80人の場合は2名以上、81人以上の場合は50人ごとに1名を加算。
施設立地高齢者向け住まいに併設または隣接する訪問看護ステーションであること。サテライトのみの併設は不可。
ICT・記録訪問看護計画書・記録書は電子的方法(ICT)で記録・連携すること。

包括型訪問看護療養費の報酬額

報酬額は、同じ建物に住む利用者の数と1日あたりの合計訪問時間によって設定されています。

【包括型訪問看護療養費(1日につき)】

建物内の居住利用者数30分以上60分未満60分以上90分未満90分以上90分以上(※注)
20人未満7,000円11,000円14,000円15,500円
20人以上50人未満6,300円9,900円13,720円15,190円
50人以上5,950円9,350円13,440円14,880円

※緊急時に即時対応できる体制があり、かつ利用者全員の1日平均訪問時間が120分以上の場合に算定可能です

注意点 併算定できない費用

包括型訪問看護療養費を算定する場合、同日に以下の費用は算定できません(包括されているため)。

  • 訪問看護基本療養費(一部除く)
  • 訪問看護管理療養費
  • 24時間対応体制加算
  • 難病等複数回訪問加算、夜間・早朝・深夜訪問看護加算など (※ただし、緊急訪問看護加算は、別に定める場合を除き別途算定可能

まとめ

2026年度に新設される「包括型訪問看護療養費」のポイントをまとめます。

  1. 重症者への集中ケアを評価: 末期がんや難病、特定の処置が必要な重症者を対象に、手厚いケアを1日単位で包括評価します。
  2. 24時間・頻回訪問が必須: 日中・夜間それぞれの訪問が義務付けられており、特に夜間の看護職員配置基準が厳格化されています。
  3. 効率性と質の追求: 同一建物内への「大量訪問」という効率性を活かしつつ、医療依存度の高い利用者への質を確保するための新しい報酬体系です。

この制度の導入により、高齢者住宅における重症者の受け入れ体制がさらに強化されることが期待されています

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