【令和8年】訪問看護基本療養費(II)の改定ポイントを徹底解説。人数・日数で報酬はどう変わる?

働き方について

訪問看護において、同じマンションや高齢者施設に住む複数の利用者を同じ日に訪問する場合、移動効率が良い(移動時間が短い)という理由から、1人あたりの報酬単価が調整されます。今回の改定では、この「効率性」をより厳格に反映させるため、人数区分が5段階にまで細分化されました。

今回は訪問看護基本療養費(II)を中心に、人数や日数で報酬がどのように変わるのかを確認してみます。

訪問看護報酬の最新ルール

訪問人数による報酬の5段階区分

同一日に訪問する同一建物居住者の人数が増えるほど、1人あたりの報酬額は段階的に下がっていきます。また、今回の改定から「同一の建物」だけでなく、「同一敷地内の建物」に住んでいる場合もこの区分の対象となりました。

区分は以下の5つです。

  1. 2人
  2. 3人以上 9人以下
  3. 10人以上 19人以下
  4. 20人以上 49人以下
  5. 50人以上

日数による報酬の変化:週単位と月単位の境界線

報酬額を決めるもう一つの重要な要素が「訪問日数」です。注目すべきは、訪問人数が10人以上になると、日数の数え方が「週単位」から「月単位」に変わるという点です。

9人以下の区分

「週3日目まで」と「週4日目以降」で評価。4日目以降は単価が上がります。

10人以上の区分

「1月当たり20日目まで」と「1月当たり21日目以降」で評価。21日目以降は、頻回訪問を抑制する狙いから単価が下がります。

報酬額一覧表(保健師・看護師・療法士等の場合)

以下は、職種や人数、日数による報酬額(訪問看護基本療養費II)をまとめた表です。

同一日の訪問人数訪問日数の区分保健師・看護師
PT・OT・ST
准看護師
2人週3日目まで5,550円5,050円
週4日目以降6,550円6,050円
3人〜9人週3日目まで2,780円2,530円
週4日目以降3,280円3,030円
10人〜19人月20日目まで2,760円2,520円
月21日目以降2,660円2,420円
20人〜49人月20日目まで2,710円2,470円
月21日目以降2,610円2,370円
50人以上月20日目まで2,610円2,370円
月21日目以降2,510円2,270円

※専門の研修を受けた看護師による緩和ケア等の場合は、人数に関わらず12,850円で据え置かれます。

加算(複数名訪問看護加算)への影響

基本の報酬だけでなく、「複数名訪問看護加算」などの加算についても、同一建物内の人数に応じて報酬が細分化されています。

同一建物内の人数看護師等が同行する場合准看護師が同行する場合
1人または2人4,500円3,800円
3人〜9人4,000円3,400円
10人〜19人3,400円2,800円
20人〜49人3,000円2,500円
50人以上2,700円2,200円

算定の新たな条件

今回の改定では、報酬額の変化に加えて、実施時間に関するルールも厳格化されました。

  • 時間の指定: 1回の訪問時間は「30分以上を標準とし、20分を下回らない」こと。
  • 記録の義務: 実施した時間を訪問看護記録書に記載すること。

まとめ

令和6年度以降の訪問看護報酬(医療保険)は、以下の3点が大きなポイントとなります。

  1. 人数が多いほど単価は下がる: 同一建物(同一敷地内含む)の訪問人数が5段階に細分化され、大人数を訪問するほど1人あたりの単価が逓減します。
  2. 10人を境に「週」から「月」管理へ: 訪問人数が10人以上になると、日数の評価が「週単位」から「月単位」に変わり、月21日目以降の訪問はさらに減額されます。
  3. 滞在時間の透明化: 短時間の形式的な訪問を防ぐため、20分以上の実施と記録への記載が必須となりました。

施設併設型のステーションなどは自社の運営モデルがどの区分に該当するのか、早急に精査し、請求ミスのないよう体制を整える必要があります。

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