精神科訪問看護に携わる皆さま、こんにちは!日々の業務の中で「GAF尺度」の評価やレセプトへの記載に悩むことはありませんか? 2020年度の診療報酬改定以降、精神科訪問看護においてGAF尺度の評価は算定要件として義務化されており、非常に重要な指標となっています。
本記事では、GAF尺度の基本から具体的な点数の付け方まで、分かりやすく解説します。
訪問看護とGAF評価
GAF尺度とは?
GAF尺度(Global Assessment of Functioning:機能の全体的評定尺度)とは、患者さんの状態を「精神症状の重症度」と「社会的・職業的機能」の両面から、0点から100点の数値で客観的に評価するツールです。
この尺度は、精神科領域で世界的に広く使用されており、患者さんの状態を簡潔に把握したり、治療効果の経時的な変化を追跡したりするのに役立ちます。
GAF尺度の評価基準(目安)
GAF尺度は10点刻みの範囲で構成されています。主要なスコア範囲とその状態の目安をまとめました。
| スコア範囲 | 状態の目安(アンカーポイント) |
|---|---|
| 91 – 100 | 広範囲の活動において極めて優れた機能。問題があっても日常生活に影響しない。 |
| 71 – 80 | 症状があっても一過性で、ストレスに対する予測される反応。社会的機能は概ね良好。 |
| 51 – 60 | 中等度の症状(例:平坦な感情、疎外感)または対人関係・仕事での困難。 |
| 31 – 40 | 現実検討や意思伝達にいくらかの欠陥、または数方面での重大な障害。 |
| 11 – 20 | 自分自身や他人を傷つける危険がある、または最低限の衛生保持が困難。 |
| 1 – 10 | 常に重大な危険がある、または持続的に個人的衛生の維持が不可能。 |
正しく評価するための3つの重要ルール
GAFスコアを決定する際には、以下のルールを守ることが重要です。
「悪いほう」を採用する
「精神症状の重症度」と「機能レベル」を比較し、どちらか悪いほうの段階を採用します。
過去1週間の「最低レベル」を評価する
訪問した瞬間の状態ではなく、評価時点から過去1週間程度を振り返り、最も状態が悪かったエピソードに基づいて判定します。
身体的な制約は含めない
評価の対象はあくまで心理的・社会的・職業的機能のみです。例えば、骨折や麻痺などの身体疾患による活動制限はスコアに反映させません。
評価の具体的な手順
ステップ1(10の位を決める)
表の100点から順に下げていき、症状または機能が当てはまる範囲を探します。
ステップ2(1の位を決める)
選択した10点の範囲の中で、その人がより高い方(良好)か低い方(重い)かを判断して、1の位の数値を決めます。
正確な評価のためのチェックポイント
身体的な制約を除外して評価する際、以下のプロセスを意識することが推奨されます。
「心理的・社会的・職業的機能」のみに焦点を当てる
GAFはあくまで精神機能の指標であり、ADL(日常生活動作)の自立度そのものを測る指標ではないことを念頭に置きます。
原因を特定する
「できないこと」があったとき、その原因が**「精神症状(幻覚、妄想、抑うつ、不安、意欲の欠如など)」によるものなのか、それとも「身体的疾患(骨折、麻痺、痛み、感染症など)」**によるものなのかを明確に区別します。
「もし身体的な障害がなかったら?」と仮定する
その利用者に身体的なハンディキャップがなかったと想定したときに、どのような精神状態で、どのような対人関係を築けているかを考えることが、適切なスコアリングの助けになります。
まとめ
GAF尺度は、精神障害を持つ方へ適切で効果的な看護を提供し、その状態を客観的に把握するために欠かせない指標です。 算定要件を満たすためだけでなく、多職種間での共通言語として活用することで、より質の高い訪問看護の提供につながります。点数を付ける際は、主観に偏らず、過去1週間の客観的事実に基づいた評価を心がけましょう。

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