在宅療養を支える訪問看護ですが〝医療保険〟と〝介護保険〟のどちらが適用されるのか、その判断基準は少し複雑です。基本的には「介護保険が優先」されますが、疾患によって「医療保険が優先」される例外があります。この記事では、どちらの保険が適用されるかの具体的な判断基準を分かりやすくまとめました。
訪問看護で適用される保険(医療or介護)の見分け方
基本的なルールは介護保険が優先
要介護認定(要支援・要介護)を受けている方の場合、原則として介護保険による訪問看護が優先して適用されます。まずは介護保険の枠組みの中でケアマネジャーがケアプランを立て、その範囲内でサービスを受けるのが一般的な流れとなります。
医療保険が優先される主な疾患と状態
介護保険の認定を受けている人でも、以下のいずれかに該当する場合は医療保険が優先的に適用されます。
厚生労働大臣が定める「特定の疾患」の方
特定の重い病気や難病を罹患している場合、介護保険よりも手厚いケアが必要と判断され、医療保険が適用されます。
- 末期の悪性腫瘍(がん)
- 難病等(ALS、パーキンソン病関連疾患、多系統萎縮症、進行性筋ジストロフィーなど)
- 重度の障害・状態(人工呼吸器を使用している、気管切開をしている、中心静脈栄養を行っているなど)
〝特別訪問看護指示書〟が交付されたとき
主治医が、急性増悪(急激な病状悪化)や退院直後、または終末期などで「頻繁な訪問看護が必要」と判断し、「特別訪問看護指示書」を発行した場合も医療保険の適用となります。 この指示書が出ている期間(原則14日間など)は、一時的に医療保険での対応に切り替わります。
精神科訪問看護が必要な場合
統合失調症や双極性障害などの精神疾患(認知症を除く)により、精神科訪問看護が必要と判断された場合も医療保険の対象となります。
年齢による判断基準
要介護認定を受けていない方の場合は、年齢によって適用される保険が決まります。
- 40歳未満の方:すべて医療保険が適用されます。
- 40歳以上65歳未満の方:介護保険の対象(16特定疾病)でない場合は、医療保険となります。
- 65歳以上の方:要介護認定を受けていない場合は、医療保険となります。
どちらを使うか迷ったときのチェックリスト
保険の選択に迷ったときは、以下のポイントを確認してみましょう。
- 要介護認定を受けているか?
- 主治医から「特定の疾患(難病等)」の診断を受けているか?
- 病状が急激に悪化して、毎日のようなケアが必要か?
- 医療行為(点滴、呼吸器管理、褥瘡処置など)が中心か?
まとめ
訪問看護の保険適用を判断する際の重要なポイントは以下の通りです。
1、原則は介護保険が優先される。
2、末期がん、指定難病、急性増悪期、精神科訪問看護が必要な場合は医療保険になる。
3、どちらの保険を使うかは自分で決めることはできず、疾患名、状態、医師の判断によって決められている。
保険の仕組みを正しく理解することで、自己負担を抑えつつ、必要な時に必要なだけの手厚い看護を受けることができます。どちらが適用されるかは不安な場合は、主治医、ケアマネジャー、訪問看護ステーションに相談するのが確実です。


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