最近、居宅介護支援事業所に行きケアマネジャーさんに営業に行った際〝訪問リハビリのお試し利用はできるんですか?〟という問い合わせが増えています。特に今年に入ってからこうした問い合わせを頂く頻度が増えているため、実際にやってもいいのか調べていました。
指示書がなければ利用者さんに触れていけない
私が訪問看護(リハビリ)に携わるようになったころは、訪問に出る際の研修で耳にタコができるほど言われていた言葉です。
極端な言い回しにも思えますが、要は訪問看護(リハビリ)指示書が届くまでは介入できないということを教えてもらいました。今でもルールは変わらないと思っていたのですが、お試し訪問看護の話題を聞いた時には驚きました。
やっぱりダメっぽい
私が勤務している訪問看護ステーションの周囲では、実際に訪問看護やリハビリの〝お試し〟を行っている事業所は存在しているようです。
ホームページを閲覧しているとお試し30分コースという表記をしているサイトも確認することができます。このサービスが他社との差別化として行っているのであれば、正当な方法とは言えない気がします。
実際に〝お試し〟を行っていた訪問看護ステーションは、地域で集うステーションのコミュニティーから除名されています。
触れなければ〝お試し〟は良いのか
訪問看護ステーションのなかには、お試し訪問の詳細に、
① 直接触れる介入はできません
② お話を伺いながら必要なサービス内容をご提案します
といった注意書きがされているところがあります。
こうした方法であれば〝介入前の担当者会議〟という体で、合法的にお試し訪問という看板を掲げることができるんですね。
なお、一部の自治体では実際にお試しで訪問看護を利用できる制度を設けているところもあります。
訪問マッサージにはお試しがあるのはなぜか
訪問看護と違い、訪問マッサージでは〝お試し〟利用が可能です。
訪問マッサージには医師の指示書は必要なく、同意書があれば健康保険を使用してサービスを受けることができますが、なくても施術できるのはなぜでしょうか。
訪問看護とは異なり、マッサージ師は独立開業権があります。そのため。同意書がなくても利用者さんに〝触れて施術〟することができます。実費も生じません。
また〝訪問リハビリマッサージ〟という名称で活動している事業所もあり、ケアマネジャーからすれば、マッサージがお試しできるのであれば、リハビリもお試しできるよね?という認識になっている可能性があります。
曖昧さを逆手に取ってみる
訪問看護ステーションが増えることで、地域の利用者を取り合うような状況が増えている昨今の訪問看護ステーションの切実な現状があります。
直接利用者さんに触れなければ、相談や担当者会議の体で〝お試し〟のような柔軟な対応ができることを看板に掲げてみるも営業のひとつかも知れません。
訪問看護・リハビリのルールをしっかりと把握して、約束事の範囲内で活動していくことが大切になってくるのかも知れません。
まとめ
訪問看護・リハビリの〝お試し訪問〟について調べてみたら、
1、原則として指示書がなければ利用者に触れることはできない
2。訪問マッサージはお試しができるので混同されやすい
3、ルールの範囲内で〝お試し〟という看板を掲げて活用する
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