訪問看護ステーションで提供するリハビリでは、身体機能面へのアプローチだけではなく利用者さんの生活に寄り添う支援が必要とされています。また〝精神科訪問看護〟の分野でも利用者さんのことをより深く理解するスキルが求められます。
生活行為や趣味活動、興味のあることを知ることができるスケールがあればとても便利です。そこで活用できる〝興味関心チェックリスト(シート)〟について紹介します。
興味関心チェックリストとは
作業療法士の方であれば一度は使用したことがあるかも知れませんが、看護師や理学療法士では遭遇する機会は少ないかも知れません。
近年では、生活行為向上マネジメントのインテーク時に使ったり、通所やデイサービスの個別機能訓練計画書にも活かされています。
興味関心チェックリストとは、対象者の興味や関心のある項目をチェック式で確認することができるシートです。
項目にはトイレや更衣といったADL、買い物や洗濯といったIADL、趣味活動など幅広い項目が設けられています。
実物の書式はこんな感じです。
4316dac5d6b1088686837b3414f55a52厚生労働省・日本作業療法士協会のホームページからも参照できます。
使い方はとてもシンプル
生活行為の各項目ごとに〝している・してみたい・興味がある〟の選択肢のどれかに当てはまる部分に〝〇〟を書き込みます。
いずれにも該当しない項目には〝している〟の欄に〝×〟を書き込みます。
空いている項目には、リストにない生活行為を書き込んで使います。
聞き取り方を工夫する
聞き取りをする際、質問を一問一答で進めてしまうと質問攻めをされていると受け取る方もいるため注意が必要です。
可能であればひとつの項目ごとに話を広げ、詳細を聞き取っていきます。
例えば興味のある活動に〝ボランティア〟があった場合、ボランティアの種類や内容について聞き取ることができます。
特に高齢者、精神疾患等により自己決定・自己選択を行う機会が少なくなっている方に対しては、質問の仕方ひとつで関心のある活動を導き出すことに繋がります。
興味関心チェックリストをどのように活用するか
興味関心チェックリストを活用することで、日常生活や社会生活等における役割を明確化することができます。
それに基づた目標設定、プログラムの立案をすることで、潜在的な興味や関心のある活動に繋げることができます。
また、デイサービス等で作成する〝個別機能訓練計画書〟の目標設定にも活用できます。
まとめ
興味関心チェックリスト(シート)とは
1、自己決定・自己選択を行う機会が少ない人に対して関心のある活動を把握することができる。
2、聞き取る際は一問一答にせず、話を広げることでより詳細な情報を得る。
3、生活行為向上マネジメント、個別機能訓練計画書にも取り入れられている。
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