ショートステイ利用中に訪問看護を併用するには

訪問看護におけるリハビリでは、利用者さんから希望があればショートステイ利用中に施設に訪問する機会がありました。施設によってリハビリを実施ていないところもあり、意外とニーズは多かったのですが、令和４年４月からはほとんどのケースで訪問できなくなってしまいました。

ショート利用中に訪問看護を提供できる施設

介護保険による訪問看護は、基本的に在宅に伺うことが前提となっています。そのため、ショートステイ利用中は介護保険の重複利用にあたるため、訪問することはできません。

一方、医療保険で介入している場合では、ショートステイ利用中であれば訪問が認められていました。ショートステイは介護保険、訪問看護は医療保険で提供されているためです。しかし、令和４年の診療報酬改定とともに、ルールの一部も見直されることになりました。

ショートステイを利用中に訪問できるケースは、〝末期の悪性腫瘍の利用者〟に対して医療保険での介入が認められています。

それ以外では、施設と訪問看護ステーションで委託契約が成立している場合は訪問可能です。

緊急時の訪問も同様に、施設と訪問看護ステーションで委託契約を結んでいる場合に限られます。

ショートステイの利用期間中は上記の条件を満たしている場合のみ訪問できます。

では、ショートに出かける日、帰ってきた日の訪問はできるのかというと、利用の目的と使う保険によって条件が設けられています。

ショートステイは利用目的によって以下の２つに分類されます。

・短期入所生活介護

・短期入所療養介護

① 短期入所生活介護：入院日・退院日の同日訪問はできない。

② 短期入所療養介護：入所日・退所日の同日訪問はできない。

① 短期入所生活介護：入所日・退所日ともに可能

② 短期生活療養介護：入所日→可能　退所日→特別管理加算を算定している場合のみ

ショートステイの場合は細かく利用条件が設定されておりましたが、施設に入所してしまった方はどうなるでしょうか。

私も施設で暮らす利用者さんに訪問しているため、どんな条件があるのか調べてみました。

利用者さんが自宅を離れ施設入所に移行する場合、入所先によっては継続して訪問に伺うことができます。特定施設入所者生活介護の指定を受けていない以下の施設が対象です。

・ケアハウス

・有料法人ホーム

・サービス付き高齢者住宅

これらの施設は、介護保険・医療保険どちらでも訪問可能となっています。

ショートステイを利用中の訪問看護は

１、末期の悪性腫瘍の方のみ、医療保険で介入できる。

２、ショートの〝入り〟と〝明け〟の訪問は、短期入所生活介護の方に介護保険で入れる。

３、施設入所になっても、今までと同じように訪問できる施設もある。