リハビリの実施における診療報酬は、医療保険と介護保険のそれぞれに定められており、基本的には病院で行うリハビリは医療保険、在宅で行うリハビリは介護保険を使用しています。例外として、在宅でも小児や精神疾患、指定されている難病については、医療保険を使うことになっています。
医療保険の指示書に関わる変更点
厚生労働省による医療保険の診療報酬改定は2年に一回、介護保険における診療報酬改定は3年に一回の頻度で見直されています。6年に一度、両方の改定が重なる年は大変です。
令和4年は医療保険の診療報酬改定年に当たります。毎年のことですが、様々な解釈ができるよう含みを持たせた条件が提示され、その都度、問い合わせやQ&Aを参照していきます。誤った解釈で進めていると、監査や国保連で弾かれてしまうため注意します。
変更箇所はひとつ
今回の変更点は〝訪問時間や頻度、介入職種を指定する〟ことが盛り込まれました。
令和3年度の介護保険診療報酬改定に合わせた内容となっています。。
・職種指定(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)
・介入時間(20分・40分・60分)
・介入頻度(週に〇回)
上記の項目が追加されることになりました。
変更後の書式はこんな感じになっています。
c7cd5f8aec9452247ab0ff103bfdd600令和3年3月31日までに発行された指示書については、期限内まで有効のため再発行する必要はないようです。
変更された背景
今回の医療保険改定でこういった変更に至った背景には、介護保険の訪問看護指示書と同じように足並みを揃えることで、過剰なリハビリサービスの抑制は図っているのではないかと言われています。
特に難病の方に対して医療保険で介入するリハビリでは、介入の上限が定められていません。必要であれば、週に5日、毎回1時間介入することもできてしまいます。
これを逆手にとって、必要もない過剰なサービスを提供している事業所があることも事実です。
こうした〝剰なリハビリサービスの提供〟が積み重なって、結果として縛りや制限が厳しくなっているのが訪問看護におけるリハビリサービスの現状のようです。
介護保険の指示書が変わったその後
昨年、ひと足先に介護保険での訪問看護指示書の書式が変更されてから一年が経ちました。
実際に現場で働いている者としての実感は〝特に影響なし〟といった印象です。初回介入時に設定された介入頻度を基準に、希望があれば主治医に伝え、新たな指示書を発行してもらえています。
発行に掛かる手数料は利用者さん負担ですが。
増回を拒否する主治医の先生はおらず、なかには介入頻度について問い合わせをしてくださる先生もいます。
今回の改定では訪問看護における看護師の診療報酬はプラス査定となっており、リハビリ職との評価差はますます広がっているようです。
まとめ
令和4年の医療保険改定における訪問看護指示書の変更については、
1、介入頻度、介入時間、介入職種を指定するようになった。
2、介護保険の指示書形式と足並みを揃える形になった。
3、看護職はプラス査定でリハビリ職との評価差は広がった。
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