療法士のコロナ対策、しっかり出来ていますか?

働き方について

感染対策もスキルのひとつ

新型コロナウイルス収束の見通しが立たないまま、早くも4ヶ月が経過経過しようとしています。最近では、病院内で発生したクラスターの中にも、理学療法士や作業療法士が含まれているというニュースも報じられるようになってきました。

仕事柄、高齢者と長時間に渡って密に接することが強いられる看護やリハビリの従事者として、新型コロナウイルスに感染しない・させないための行動は、今後必要不可欠なスキルとなっていくように思います。

そこで今回は、私が勤務している訪問看護ステーションをはじめ、多くの事業所でも取り組まれている〝新型コロナウイルスの感染対策〟についてご紹介します。

毎朝の体温チェックは欠かさずに

新型コロナウイルスの流行が始まった3月以降、毎朝の検温を義務化している事業所が増えるようになってきました。37.5℃以上の体温だった場合は自宅待機、37℃以上でも状況によっては出勤を控えることになっています。

検温結果はLINEやメールなどのSNSを通じて管理者に伝え、出欠勤の判断を仰ぎきます。最近はこうした連絡手段が増えてきたおかげで、いちいち電話をしなくて済むのはありがたいところです。

最近では、病院や施設に入る際にも検温が欠かせません。最近では額にセンサーを当てるタイプの簡易的な体温計測が普及しており、5秒も掛からずに測定結果を知ることができます。

ただ、真夏日に汗をかいて状態で測定した体温が35℃台だったりするので、誤差があることを前提に判断することが大切です。

手指消毒に始まり、手指消毒に終わる

訪問リハビリの際には、利用者さんのお宅に到着したらまずは手指の消毒を行います。それからバイタル測定からリハビリへの移行し、終了後にも手指消毒を行います。

手指消毒の際は、敢えて利用者さんの前で実施することで安心してリハビリを受けてもらえることがねらいでもあります。

また、リハビリ中は極力顔周辺に触れないように意識することも欠かせません。

〝そこまでしなくても顔なんか触らないでしょ〟と思うかも知れませんが、多くの人が自身で認識できていないだけで、無意識のうちにかなりの頻度で顔周囲を触れているようですよ。

利用者さんに触れる部分は消毒をした部分のみにすることで、消毒の効果を最大限発揮することができます。

利用者さんの体温チェックも忘れずに

バイタルチェックの時には、まずは〝体温の確認〟から始めます。

そこで万が一、37.5℃の熱発が確認された場合、すぐに利用者さんから離れ、玄関の外にでるようにします。

そこから主治医や事業所の管理者に連絡を行い、その後の行動に関する指示を仰ぎます。動きのパターンとしては二通りあります。

まずひとつめは〝主治医の到着を待つ〟です。主治医が往診に対応している場合に限られますが、電話連絡の際にこうした指示があると少し安心できます。

もうひとつは〝完全防備で対応にあたる〟です。防護服があれば問題ないですが、訪問の場合にはフェイスシールド、マスク、エプロン、手袋を活用して利用者さんの対応にあたります。

これだけの熱発があれば、多くの方は調子も優れずにリハビリどころではありません。バイタル確認後、状況によっては〝救急搬送〟に踏み切る場合もあります。

いずれにしても、様々なケースを想定して職場や主治医の先生と事前に打ち合わせをしておくと、迷いもなくスムーズに行動に通すことができます。

コロナに感染したら最悪失業

訪問看護ステーションに勤務するスタッフが新型コロナウイルスに感染した場合、どのような対応がなされるのでしょうか。

一般的には保健所の指導により、事業所内の全面消毒と濃厚接触のスタッフは二週間の自宅待機となります。その間のサービスについては、事務所内で担当を割り振るか、近隣のステーションに依頼して引き継いでもらうしかありません。

ただ、新型コロナで一番怖いのが〝風評被害〟ともいわれています。

高齢者が主な客層の業種では、コロナに感染した事業所のサービスは敬遠されてしまう可能性もあります。また、近隣の事業所に引き継いでもらった利用者さんが、二度と帰ってこないという事態も想定され、最悪の場合は〝事業所閉鎖〟に追い込まれるかもしれません。

〝徹底した感染対策〟は、これからの看護師や療法士に求められるスキルになってくると思います。

まとめ

新型コロナの感染対策は

① 毎朝の体温チェックを行い、怪しい時は出勤しない。

② 仕事の前後で手指の消毒を欠かさず、顔に触れない意識づけを。

③ 万が一スタッフ感染した場合、体力のない事業所は潰れてしまう。

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