今まで通りのサービス提供は当面難しそう
5月26日より、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除となりました。
これまで、緊急事態宣言期間中の介護保険サービスは、〝医療崩壊〟ならぬ〝介護崩壊〟が起きてしまうほど厳しい状況に追い込まれてしまいました。
デイサービスでは、自主的な業務自粛やクラスター発生による影響で多くの利用者さんが満足にサービスを使うことができない事態が生じてしまいました。サービスが利用できなくなっt利用者さんが苦しい生活状況を取り上げるニュース番組も多く放映されていました。
緊急事態宣言が解除されてから一週間、果たして今まで通りの介護保険サービス提供はどこまで元どおりになっているのでしょうか。
デイサービスは利用控えがしばらく続きそう
私が訪問リハビリで伺っている利用者さんの多くがデイサービスを利用されています。特に今回の新型コロナウイルスの影響により、デイサービスの利用にも多くの制限が設けらられていました。
実際、緊急事態宣言が解除されて今まで通りにサービス再開がされているかというと、そういうわけにも行かないようです。
緊急事態宣言に伴い、デイサービス自体が営業自粛しているケースは通常とおりに利用者さんが戻ってきていますが、利用を控えていた利用者さんの戻りはいまいちのようです。
一週間に3〜4回の頻度で利用されていた方の場合、利用回数を控えたまましばらく様子をみている感じでした。特に同居されているご家族の方が慎重に行動しようと考えており、第2波を警戒されている方が多い印象でした。
ショートステイも利用しやすい状況
ショートステイサービスについても、利用者さんの数は少ない状況が続いている様子でした。通常であれば利用希望日の数週間前から予約をしていた方も、一週間前の予約でも余裕で利用ができたそうです。
ショートステイの利用数が少ない理由については、デイサービスと同様にサービス利用中に新型コロナウイルスへの感染リスクに加え、もうひとつ原因がありそうです。
ショートステイサービスの利用目的の多くは、ご家族のレスパイトケアを目的としているのですが、そのご家族自身も外出や旅行に出掛けられる状況ではありません。
そのため、利用者さんにショートステイサービスを利用してもらう機会自体が少なくなってきているようでした。
歯科治療はストップしたまま
新型コロナウイルスの影響を受けて、身近なところで悩みを抱えている利用者さんもいます。私が伺っている利用者さんは、歯科治療が途中で止まってしまう事態に巻き込まれてしまいました。
歯科クリニックでは対応できない症例のため大学病院での歯科治療に切り変わったのですが、一回めの受診を終えた矢先、しばらく治療が休みになる旨を伝えられたそうです。
奥歯に痛みがあった利用者さんは、この状況で一ヶ月以上も待機する羽目になってしまい、緊急事態宣言解除後も治療再開の目処は立っていないようでした。
緊急を要する症例を除き、しばらくは自主的な利用控えが求められているようです。
入院期間も短縮傾向にある
5月より訪問サービスが開始された利用者さんは、急性期の整形疾患を患ったにも関わらず、わずか一ヶ月半ほどで退院を余儀なくされたそうです。
そのため、自宅に戻ってからも疼痛のコントロールが図られず、寝たきりによる佩用症候群から生活動作能力がみるみる低下していきました。
緊急事態宣言が解除された今も〝もう少し入院しておけばよかった〟と後悔されています。
新型コロナウイルスを警戒するため、本来必要とされる入院期間さえ短縮されてしまう状況は、まさに〝緊急事態〟ということを実感させられます。
まとめ
緊急事態宣言が解除された今、利用者さんの生活状況は、
① 感染リスクのある外出系のサービスは、しばらく利用控えが続いていく
② 歯科治療が途中で止まってしまうと、意外とストレスが溜まってしまう
③ 本来の医療・介護サービスが提供されず、大変な思いをされている方が多い
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