訪問サービスを取り止めている利用者さんにできること

訪問リハのこと

サービス休止の影響

新型コロナウイルスが猛威を振るった結果、緊急事態宣言が出され、訪問看護・リハビリサービスを利用される方のサービス休止が相次いでいます。

私が勤務している訪問看護ステーションでは、全体で約1割の利用者さんがサービス休止を希望されています。一方でデイサービスの利用ができなくなったり、利用控えをされている方からの依頼は増えているため、利用者の著しい減少は食い止められている傾向にあります。

サービスが休止されて早くも一ヶ月が経過したため、利用者さんの状況が気になって電話で近況を伺うことにしました。

一ヶ月ぶりに電話してみた

利用者さんに電話をしてみたところ、ほとんどの利用者さんの生活状況は大きな変わりはなく過ごされている方が多い印象でした。

屋外歩行練習を実施されていた方の場合では、夕方にご家族とともに散歩に出かける習慣を作ることができていました。

リハビリで介入している間は自主練習に消極的だった方だったため、こうした機会に自主的に歩行練習を実施されていることには驚きました。やはり環境が与える影響は大きな力を秘めているものだと実感させられます。

リハビリの効果を評価する機会に

私が病院でリハビリに従事していた頃は、リハビリの終了=退院日でした。これは、リハビリの目標達成や効果に関わらず、病院を退院した時点で介入が終了してしまいます。

訪問リハビリでは、基本的に利用者さんが終了を希望するまで介入することができます。良くも悪くも決めるのは利用者さん自身です。

そんな中、実際に一ヶ月以上もリハビリができない状況で、利用者さんのどのように過ごしているか把握することで、自分の介入意義を見直すよい機会になると思います。

介入が中止されたことで著しく生活動作が低下されてしまう方はリハビリによる機能練習の必要性があると評価できたり、精神的に不安定になってしまう方がいれば、介入が精神的な支えとなっていたことになります。

また、家族との関係が悪化してしまう方がいれば、リハビリで介入することで本人や家族のストレスを軽減したり、関係を円滑にする潤滑油の役割をになっていたことになります。

捉え方は様々ですが、一定期間介入が休止して改めて再開できる機会というのはそうそうあることではありません。であればこの状況を逆手にとって、介入成果を見直す機会に活用してみてはいかがでしょうか。

自主練習を提案してみる

先日、利用者さんのご家族から休止期間にできる自主練習を提案してもらいたいという連絡がありました。

利用者さんの身体機能、ご家族のマンパワーにもよりますが、サービスを提供できない現状ではこうした取り組みも有効になると思います。

普段から必要に応じて自主練習メニューを作成しているのであれば、数ある練習内容のストックから必要な部分を編集するだけですぐに用意することができます。

もちろん、直接お渡しすることができないため、メモを添えて郵送することをお勧めします。

利用再開をスムーズにするために

電話をした利用者さんの多くは、介入がなくなったことで身体の調子が優れない、外出機会や人と話す機会がなくなったので退屈しているという声が聞かれています。

自粛生活によるストレスに加えて、在宅生活にサポートを要する方の生活を支持するためにも、お会いできないなりに出来ることを考えながら取り組むことで、これからサービスが再開された時に円滑なスタートを切ることができると思います。

まとめ

訪問サービスの利用を休止されている方にできることは、

① 電話で連絡をして近況を伺ってみる

② 自主練習を提案してみる

③ リハビリの効果を評価する機会として活用する

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