緊急事態宣言発出後に起こったこと
新型コロナウイルスが猛威を奮っている最中、4月8日に緊急事態宣言が出されました。その後、在宅サービスの現場では様々な変化がみられてきました。
すでにニュースとして取り上げられていますが、医療現場が逼迫していく状況も報道されていますが、介護現場にも同じような状況が見られています。
最近では介護崩壊という言葉が使用されるほど、介護の現場も大変な状況であることがわかってきました。そんな中、訪問看護ステーションにも介護崩壊の余波がみられるようになってきています。
介護崩壊とは
介護崩壊とは、医療崩壊と同様に新型コロナウイルス禍での介護サービス提供が難しくなっている状況を指す言葉です。
ニュース番組に出演されている介護施設の方の話では、医療現場と同じように介護現場でもサージカルマスクや消毒液といった医療品の不足が課題となっているそうです。もともと人材が足りていないことを考えると事態は深刻です。
感染者をケアしているわけではないのになぜ?と思ってしまいがちですが、介護の現場では食事や排泄、口腔ケアをする関係上どうしても濃厚接触に近い環境で仕事をしています。
発症していない保菌者の方がいることを想定すると、感染しない・させないことを踏まえると、介護サービスが十分に提供できない状況がすぐそこまで迫ってきているのです。
デイサービスに通う利用者さんの声
私が訪問リハビリで伺っている利用者さんの中には、デイサービスを併用している方も多くいらっしゃいます。特に問題となっていのは、デイサービスの休止やサービス内容の調整による影響です。
利用者さんの中には、入浴を目的にデイサービスを利用する方が一定いらっしゃいます。こうした方々はデイサービスの利用ができなくなってしまうと家でお風呂に入るしかありません。
自分ひとりでお風呂に入れていればよいですが、どうしてもご家族のお手伝いや福祉用具の利用を余儀なくされる方もいらっしゃると思います。こうした状況が、本人やご家族にとって大きなストレスとなっているようでした。
デイサービスに行けなくなってしまうのも困りますし、デイサービスに行って新型コロナウイルスの感染リスクを高めてしまうことにも抵抗があり、行きたいけど行きたくないというジレンマを抱えている方が多いようです。
また、デイサービスでの過ごし方として、麻雀や囲碁、カラオケといったレクリエーション、昼食やおやつの時間など、どうしても他者と接する機会ができてしまうことを心配されるご家族も一定数いるのが現状のようです。
緊急事態宣言後に多いサービス利用の問い合わせ
利用者さんが置かれているこうした状況は、訪問看護サービスの依頼内容にも少しずつ現れてきています。
私が勤務するステーションでは、緊急事態宣言が出されて以降、新規依頼の内応は入浴介助や訪問リハビリの増回希望が増えてきている傾向にあります。
その背景には、デイサービスの利用頻度減少に伴い、必要なサービスを在宅で受ける方が増えているためだと考えられます。
新型コロナウイルスの感染予防として訪問看護サービスの利用を中止される方がいる一方で、新しい生活様式のあり方として、外出先でサービスを利用されていた方が、在宅でサービスを受けるというケースも増えてくるのではないでしょうか。
まとめ
新型コロナ禍で起きているサービス利用の変化には、
① 介護崩壊という危機的な状況が背景にある
② デイサービスに行きたいけど行きたくないジレンマがある
③ 必要な支援やサービスを在宅で受ける方が増える傾向にある
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