外出できないストレス
先日、新規で訪問リハビリの依頼を頂いた利用者さんのお宅へ伺い、日常生活の近況を伺っていました。すると利用者さんが今の生活にストレスを感じているとのこと。
原因は〝今まで通り外出できなくなった〟ことが原因でした。それまでは二つ先の駅に住む友人宅へ電動自転車で遊びに行っていたそうです。
それが転倒によって膝を痛めてしまい、ご家族から自転車の使用禁止令が出されてしまいました。友人に会えないこと、自由に出掛けられないことのダブルのストレスです。
利用者さんのなかには、自宅の寝室が一番落ち着くらしく一切の外出を好まない方もいる反面、上記した方のように外出出来ないことがストレスになる方もいます。
そこで今回は、利用者さんが外出するために利用できる手段、乗り物について調べたことをまとめてみました。
電動三輪自転車
手軽さと安全性でいえば〝電動三輪自転車〟が一番よく利用されているのではないでしょうか。最近では街中で三輪自転車に乗っている高齢者の方もよくお見受けするようになっています。
普通の電動自転車との違いは〝安定性〟です。三輪でバランスを取るため、静止していても倒れることはありません。
小回りが利きにくそうなイメージもありますが、最近の電動三輪自転車には〝スウィング機能〟が搭載されており、重心を傾けるだけで方向転換のアシストをしてくれます。
ちなみに電動三輪自転車の場合、前方か後方のどちらかが二輪になっているのですが、これによって性能にも差が出るようです。
前方二輪の方は比較的速度がでやすいため、通勤や子供の送迎、遠方へ出掛ける機会が多い人など、比較的活動範囲が広い方の使用が適しているようです。
一方の後方二輪のタイプでは、荷物がたくさん積めるようにカゴなどが設置されているものが多く、買い物に出掛けるなど近隣の活動範囲で使用する場合に適しているようです。
シニアカー
電動車椅子と同じカテゴリーに入りますが、見た目はミニスクーターのような見た目をしています。ゴルフ場でみるカートみたいイメージでしょうか。
走行速度は時速9キロメートルで、成人男性の早歩きくらいのスピードがでます。一回の充電で約15㎞走行することができるため、見た目以上に使い勝手は良さそうです。
運転免許は必要なく、屋外では歩道を利用することができます。また、スーパーの中でも使用することが可能ですが、通路が狭くなっているお店では注意が必要になります。
こちらは介護保険でレンタルをすることができ、1ヶ月辺り2,000円から利用することがでます。高性能なカートでも、12,000円程度で借りることができます。
電動車椅子
最近は電動車椅子を利用して外出される方を目にする機会が増えてきたように思います。それくらい福祉用具としても普及してきている証でしょうか。
電動車椅子は操作性と見慣れた形状から、手軽さや安心感があるため屋外の移動手段にはもってこいの福祉用具です。
ただ、レバーひとつで簡単に操作できる反面、一瞬の誤った操作で衝突事故を招く可能性があるため注意が必要になります。
また、電動カートなどを利用できる方と異なり、電動車椅子を利用されている方のほうが転倒や衝突時にケガを負いやうすい一面もあるため、利用を決める際は他職種の方の意見が参考になります。
まとめ
屋外の移動手段として活用できる乗り物は、
⑴電動三輪自転車は、前方二輪と後方二輪で用途を使い分ける。
⑵シニアカーのカテゴリは電動車椅子と同じため、福祉用具でレンタルできる。
⑶電動車椅子は身近な乗り物である分、安全に利用するためのスキルも求められる。
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