訪問リハビリとインテーク面接

訪問リハのこと

訪問リハビリでは第一印象で決まる

理学療法や作業療法を始める際に欠かせないのが〝インテーク面接〟です。それは、病院のリハビリでも訪問リハビリでもとても大切なプロセスになります。

ちなみに〝インテーク〟という言葉を改めて調べてみると、インテークには〝受け入れる〟という意味があり〝援助を求めて相談機関を訪れた人にソーシャルワーカー〟などが行う面接と定義されています。

これは個人的な印象ですが、特に訪問リハビリの分野では病院で行う以上にインテーク面接の重要度は高いと思っています。

それは〝在宅〟という生活の場によそ者としてお邪魔する立場上、第一印象が悪ければその後のサービス提供がスムーズに行えなくなってしまうからです。

そこで今回は、訪問リハビリで行うインテーク面接の注意点についてまとめてみました。

まずは事前情報を集めることから

まずはインテーク面接を行う上で大切なことは〝事前の情報収集〟です。訪問リハビリで得られる情報は以下の場面で得ることができます。

初めに目を通すのが、事業所に送られてくるケアマネジャーさんからの申し込み用紙ですが、この段階で得られる情報は基本情報が中心となります。

既往歴・現病歴・治療経過などの詳細については、主治医からの指示書、入院先の病院からもらえる看護・リハビリサマリーが頼りになります。

それ以外に客観的な情報を得る手段としては、初回の担当者会議でお会いするご家族、ケアマネジャーやヘルパーさんから話を聞くことができます。

インテーク面接のはじめは自己紹介から

当たり前のように行なっている自己紹介ですが、ここを疎かにしてしまうと全てが台無しになってしまうため注意が必要です。

しっかりと相手の目ながら自分の所属や名前をゆっくり丁寧に伝えます。

担当者会議などのパラレルな場で自己紹介を行なっていた場合でも、リハビリが始まる際には改めて自己紹介をしておくことをおすすめします。

次に利用者さんに自分の役割を伝えます。セラピストの場合は、リハビリを提供する存在であることを伝えていきますが、ここにも注意点があります。

理学療法と作業療法の違いなど細かいことは後回しにして、利用者さんに対して自分が訪問することになった経緯、できること・できないことをしっかりと伝える必要があります。

この場面を通じて、利用者さんのために訪問をしていて、利用者さんの状態が良くなるために尽くしていくという意思表示を行うのです。

セラピストとしての知識や技術だけでなく、それを提供する人の態度や人間性が利用者さんを尊重しているものでなければ意味がありません。

訪問している目的を明確にする

初回面接に限らず、訪問サービスが継続していく節目では、利用者さんと共に〝訪問リハビリを利用する理由〟について明確にしていく必要があります。

利用者さんによっては訪問リハビリサービスの利用を知らされていないという方もいます。家族とケアマネジャーさんが相談してサービスを決めていることもあるからです。

このような場合でも、しっかりと必要性を理解してもらうことができれば介入の余地がありますが、十分に理解を得られないまま進めても長続きしません。

また、話し合いの中で利用者さんのキャラクターやリハビリに対する取り組み姿勢についても評価することができます。

コミュニケーション能力、認知機能、病識、モビベーション、課題解決能力などを評価していくことで、今後のリハビリプランを立てる際の参考情報として活用することができます。

まとめ

訪問リハビリで行うインテーク面接のポイントは、

⑴訪問では、事前情報を得られる機会が限られているのでを活用する。

⑵自己紹介の段階で利用者さんに信頼してもらえるように努める。

⑶訪問している理由、リハビリの目標を明確にして風通しのよい関係性を築く。

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