病院では通用していたのに
私が訪問リハビリの仕事をするようになってから気をつけていることのひとつに〝利用者さんとの接し方〟があります。
訪問に出るまでは普段通りに接していれば利用者さんに嫌がられることはないと思っていたのですが、実際に現場に出てみると上手くいかないことばかりでした。
病院では特に意識をすることなく立ち振る舞っていた行動でも、改めて振り返りをしてみることで反省点が見えてくるかも知れません。
会話が弾むよう一生懸命話しかけてしまった
そこで今回は、利用者さんに嫌われてしまいがちな行動について実際に経験をしたことを中心にまとめてみることにしました。
リハビリをしている時間、特にストレッチや関節可動域練習の時間や休憩中など、利用者さんと世間話しをするシチュエーションがあるかと思います。
そんな時、間を持たせようと趣味の話を根掘り葉掘り聞いてしまうことはないでしょうか。私は初めの頃これをやって失敗したことがあります。
自然と弾む会話であれば問題なかったと思いますが、はやり〝取り繕った話し方〟では相手もあまりよい気分にはなりません。
また、利用者さんの性格も千差万別です。おしゃべりが好きな方もいれば、会話をせず淡々とリハビリを進めてくれる関係性を望む方もいます。
初めてお会いしてから関係性を築くまでの間に、おおよそどのような方なのかを見極められるスキルが備わってくると、大きな失敗はないと思いますが。
情報提供をしているつもりが回りくどいと嫌われてしまった
理学療法士や作業療法士の臨床実習では、患者さんにリハビリの内容をしっかりと説明するように教わってきました。
訪問の分野でも、リハビリの目的、内容、予後予測についてしっかりと行うことは何も問題ありません。ただ、一部の利用者さんにとっては、丁寧すぎる説明の仕方、回りくどい話し方を嫌う方がいます。
私がリハビリで伺っていた利用者さんの中にも、担当ケアマネジャーの話し方が回りくどいという理由で担当を外してしまうほどの失態に繋がってしまいました。
これも〝相性〟の良し悪しによって仕方のない部分もあるとは思いますが、言葉遣いだけではなく、表現方法や伝え方についても柔軟な対応力が必要になってくると思います。
車椅子のメンテナンスをしてしまった
訪問リハビリで伺う利用者さんの中には車椅子を利用されている方が多くいらっしゃいます。また、そのようなケースでは、車椅子のメンテナンスを行う機会もあったりします。
病院ではほぼ毎日のようにリハビリを行なっているので、メンテナンス後の微調整も簡単に行うことが可能ですが、訪問リハビリではそう簡単ではありません。
一週間に一度しか伺わないお宅では、万が一メンテナンス後の調整が必要だった場合、次に調整できる機会は一週間先になってしまいます。
そのような事態を避けるためにもメンテナンスをする時は慎重に慎重を重ねて行なっているのですが、稀にクレームに繋がる事態にも遭遇します。
私の場合には、車椅子のブレーキが緩くなっていたのでしっかりと止まるように調整をしたのですが、後日ブレーキが掛かり過ぎるという理由でクレームに繋がってしまいました。
その時は昼休みを返上してお宅に伺い、利用者さんが望むブレーキの硬さに再調整させて頂いたのですが、もしすぐに対応できていなかったと想像するとゾッとしてしまいます。
まとめ
訪問リハビリ中の立ち振る舞いで気をつけておきたいポイントは、
⑴病院で通用していたやり方が通用しない場面に遭遇する。
⑵利用者さんの性格、キャラクターにあった接し方を探す。
⑶毎日お会いしないからこそ、毎回の関わりを慎重に行なっていく、
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