春になると体調不良の利用者さんが増える理由

気づいたこと

季節の変わり目に感じる通称〝春だるさ〟

私は冬から春に季節が以降する時期になると、決まって体調が優れず強い眠気とだるさを感じるためあまり好きな季節ではありません。

訪問リハビリで伺う利用者さんのなかにも、この時期には体調が優れないという訴えをされる方が多く季節の変わり目とともに訪れる〝自律神経の乱れ〟だと思っていました。

先日、新規で訪問リハビリの利用が開始されたお宅で似たような話題になったのですが、そこで面白い話を聞くことができました。

利用者さんのご家族は中国で医者をやっていた経歴を持ち、東洋医学に精通した広い知識を持っており、この〝春だるさ〟を少し変わった視点から教えてくれました。

春は不調を感じやすい

まず、春に感じる不調についてどういった症状があるのか教えてもらいました。

強い眠気、やる気のさなさ、ぼーっとして集中力が低下する、なにもやる気が起きないといった症状が当てはまります。

これらの症状を高齢者に当てはめると、一見して活動意欲の低下、生活リズムの乱れによる影響ではないかと思ってしまいがちです。

ただ、こうした症状についても東洋医学の視点で評価をしていくと原因と改善策がみえてくるそうです。

春困(しゅんこん)という東洋医学の考え方

中国では古くから春先に感じる体調不良のことを春困と呼び、様々な対処法が考えられてきたそうです。

春困とは、寒い冬の期間はエネルギーを温存するため、身体の活動量を下げる調整機能が働いているのですが、春になると変化が現れます。

今度は一転して身体からエネルギーが湧き上がってきて、活動しようするスイッチが入るのですが、そこにうまく身体が追いついていないために生じる症状のことをいうようです。

私がお医者さんや看護師さんに聞いた〝春だるさ〟の原因は自律神経の疲労による影響と教わっていたのですが、中国では古くからこうした解釈がなされていたことに驚きました。

肝臓の働きがカギを握っていた

上記の症状を改善するポイントのひとつに〝肝臓〟の働きが大きく影響しているようです。

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれていることはご存知かと思いますが、それくらい常に黙々と仕事をしているとても重要な臓器です。

春の体調不良はこの〝肝臓〟の働きが低下していると考えられており、肝臓に負担をかけない食生活や生活リズムの改善が大切のようです。

肝臓が仕事をしやすい環境を

身体が冷えていると、それだけで肝臓の機能は低下してしまいます。逆に言えば、しっかりと身体を温めておくことで肝臓も元気に働くことができるのです。

また、食生活でも肝臓を労わることは可能です。まずはお酒や揚げ物などを控え、肝臓に掛かる過度な負担を軽減していきます。

さらにキャベツやしじみ、菜の花などをよく食べることで肝機能を低下させることなく、よい状態を保つことができます。

加えて適度な運動も肝臓に溜まったエネルギーを発散させる役割を担うことができます。決して激しい運動をする必要はなく、軽く汗ばむ程度でよいのだそうです。

まとめ

春のだるさについては詳しく教えてもらった結果、

⑴春は季節の変わり目でみられる症状があっても生活リズムの乱れだと思わない。

⑵中国では春困という肝機能に注目した対処法がある。

⑶お酒を控え、身体を冷やさず肝機能を高める食事で肝臓に負担を掛け過ぎない。

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