辞めるリスクと続けるリスク
私は作業療法士として10年以上が経ちますが、全て臨床で仕事をしてきました。理由はこの仕事をやりたいと思って資格を取得したからなのですが、たまにそれだけでいいのかと考えることもあります。
特にテレビで転職会社のコマーシャルを見たり、友人が違う仕事に挑戦している姿をみると〝自分にも他に出来ることがあるのではないか〟という気持ちに駆られます。
資格があれば食いっぱくれしないという考えに安心している反面、このままこの仕事だけをやっていて将来後悔しないだろうかと考えてみたりしています。
そこで、自分が今まで出会った理学療法士や作業療法士の方々が、臨床以外でどんな仕事をしているのか実際に聞いたことをまとめてみました。
区役所・市役所などの行政機関で働く
研修会に参加していると、行政に籍を置く理学療法士や作業療法士の方が講師として招かれている場面に遭遇することがあります。
実際に区役所に努める理学療法士の方に話を聞いたことがあるのですが、行政に入るきっかけは必ずしも〝セラピスト枠〟ではないそうです。
行政で働くセラピストは、介護福祉課などのリハビリで培った経験が活かされる部署に配属されるものと思っていたのですが実際は違うようです。
初めは配属された部署で仕事を行い、数年後に異動希望を提出する必要があるようです。また、必ずしも希望の部署に行けるという訳でもなく、行けたとしてもずっと居られる訳でもないそうです。
行政の一員としてリハビリで培った知識や経験を活かしたいと思っても、その仕事に就くまでには長い道のりがあるようです。
大学・専門学校など養成校の教員になる
理学療法士や作業療法士の資格を取る際に通っていた養成校の先生は、同じ資格を持つセラピストが務めていることはご存知かと思います。
養成校の教員になるための特別な資格は必要ないようですが、実際に教員に内定した後、職場から〝セラピストが教員になるための研修会〟に参加するよう促される場合もあるようです。
前職が養成校の教員だった同僚に話を聞いてみたところ、教員として教団に立つ仕事はそこまで大変ではなかったようです。
ただ、生徒ひとり一人の人間関係や勉学についての悩み相談など、生徒のモチベーションコントロールに費やす労力の方がはるかに多いとぼやいていました。
求人情報では年収が高めに設定されていますが、その分教員として生徒と向き合えるだけの器量の大きさが必要な仕事だと思います。
デイや訪看を起業して社長になる
最後は臨床から完全に離れているとは言い切れませんが、自分でデイサービスや訪問看護ステーションなどの会社を起業するという意味で取り上げました。
私が以前勤務していた訪問看護ステーションの社長は理学療法士の資格を持っていました。実際に臨床に出ていた期間は短く3年ほどで独立したそうです。
もともと起業を目的に理学療法士の資格を取得したらしく、起業するにあたりセラピストとしての経験はそこまで必要なかったと話していました。
自身で会社を起業した場合、年収の増加や会社を作っていく楽しみが期待できますが、面倒な人間関係から逃げ出すことができないストレス、借金や倒産のリスクも背負う必要があります。
あれこれ調べてみましたが、臨床以外の仕事にもそれぞれ一長一短があるようです。結局のところ臨床で落ち着いてしまうことになるのでしょうか。
まとめ
臨床以外で働く理学療法士・作業療法士について調べてみたら、
⑴行政でセラピストの知識を活かすには若干遠回りが必要となる。
⑵養成校の教員は、生徒のケアに思った以上の労力を費やすことになる。
⑶できることなら起業できるだけの度胸と根気があればなぁと思うばかり。
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