介護保険サービスの支給限度額と料金設定から思うこと

気づいたこと

限られた枠の中でサービスを組む

訪問リハビリを利用する場合、基本的に介護保険を使ってサービスを提供するため、他のサービスとの兼ね合いというものが存在します。

病院で行うリハビリでは、他の医療サービスと引き換えにリハビリは終了するというケースはあまり想像がつきませんが在宅では違います。

例えばデイサービスや訪問介護、訪問入浴などの利用に伴い、リハビリは終了しますという事例はいくつもあって、私自身も何度か経験したことがあります。

そこで今回は、利用者さんが多く利用しているサービスや福祉用具の料金について少し調べてみました。

なぜサービスを削る必要があるのか

医療保険と介護保険の一番の違いは〝上限がある〟かどうかです。医療保険の場合は自己負担額を支払うだけでサービスを受けることができますが、在宅では違います。

介護保険では〝支給限度額〟があらかじめ決められています。要介護度に応じて、要介護1なら約16万円、要介護5になると約36万円まで基本的には1割負担で利用することができます。

この支給限度額を超えた分の利用料金は全額自己負担となっているため、可能な限り支給限度額内で納まるようにサービスを選択する必要が生じてくるのです。

そのため、要介護度の変更に伴い支給限度額が減ってしまった都合上、利用していたサービスを泣く泣く終了しなければいけない事態が発生してしまうのです。

デイサービスの利用料金

デイサービスは要介護に応じて利用料金が異なる仕組みになっています。1日8時間の利用で、おおよそ700円〜940円で利用できます。

訪問リハビリ(訪問看護ステーション発)が1時間で960円掛かっていることを考えると、一日利用できるデイサービスも魅力的です。

ショートスティの利用料金

ショートスティの利用料金は、宿泊する施設によって異なりますが基本料金は850円〜950、それに宿泊費や食費が加算され、一泊あたり2,500円〜6,000で利用することができます。

こちらは訪問リハビリ1時間当たりの利用料金とほぼ同じです。宿泊費や食費が掛かるとしても、基本料金が1,000円以内で納まるところはさすがです。

訪問介護の利用料金

訪問介護はいわゆる〝ヘルパーさん〟のサービスです。身体介護と生活援助の二種類があり、身体介護の場合は45分〜60分未満の利用で394円、生活援助に至っては45分以上の利用でも223円です。

福祉用具の利用料金

福祉用具も介護保険を使用してレンタルすることができるサービスのひとつです。

介護用ベッドの場合、一般的なレギュラータイプ3モーターで900円、2モーターになると750円でレンタルすることができます。

車椅子の場合は、自走式スタンダードタイプで470円〜500円ほど、座面や座幅の調整ができる多機能モジュラー型の車椅子でも500円〜600円でレンタルすることができます。

歩行器は270円〜300円ほど、据え置きのタッチアップ手すりは300円〜500円でレンタルすることができます。

訪問看護や訪問リハビリの利用料金

ちなみに訪問看護ステーションから看護師が訪問する場合、地域によってばらつきがありますがおおよそ800円〜900円、訪問看護ステーションからのリハビリも同様の料金設定になっています。

こうして比較をしてみると、看護師やセラピストを1時間利用する値段というはかなり高めに設定されているようにも感じます。

逆に言えば、その料金に見合うだけの質の高いサービスを提供する責任があるということになります。

決められた限度額内でサービス内容の調整が必要な介護保険サービスにおいて、看護やリハビリを利用してもらえているありがたさが再認識できるのではないでしょうか。

まとめ

介護保険のサービス内容と料金を調べてみたら、

⑴介護度に応じて、利用できる支給限度額が決められている。

⑵必要なサービスと利用できる上限の間で削られるサービスがある。

⑶訪問看護の料金設定はけっこう高めに設定されている。

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