離床を促すきっかけ作り

気づいたこと

起きれるのに起きたくない人

訪問リハビリで伺う利用者さんの中には、ベッド上で臥床したまま過ごされている方も多くいらっしゃいます。症状によって寝たきりの方以外に、起きれるけれど臥床しているケースです。

病院に入院している場合は、適宜看護師さんやリハビリスタッフが声を掛けに来くれるため臥床していられる時間も限りがあります。

いっぽう自宅では、基本的に本人の望む形で生活様式が決定しています。いくら離床を促しても、本人が必要と感じない限りその努力は実を結ぶことはありません。

そのため。訪問リハビリで離床傾向の強い利用者さんの自宅に伺うと、ご家族と相談をしながらあの手この手で離床を促す方法を模索しています。

そこで、利用者さんの離床を促すきっかけ作りについてまとめてみました。

離床のメリットはたくさん

理学療法士や作業療法士であれば、離床することの大切さは十分に理解されているとは思いますが、利用者さんやご家族はそこまでメリットを感じていない場合があります。

例えば。離床をすると体力の向上、筋力やバランス能力の強化、眠気が減って覚醒しやすくなることに加え、食欲増進や排便コントロールの改善など身体にとってよいことだらけです。

しかし、それを実感してもらうには口で能書きを説明してもあまり意味がありません。実際に離床をしてもらい身体の変化を自覚してもらう必要があります。

そのためにも離床を促す取り組みは、訪問リハビリでもとても重要な過程だと思っています。

離床する理由を作る

日中に活動する理由がなく臥床しているというケースでは、利用者さん自身が役割意識を持つことで離床が促される場合があります。

例えば、洗濯物をたたむ作業だったり、家事の一部をお願いしてみたり、身近なセルフケアを自身の仕事として認識してもらい、自発的に活動する機会を設けることが大切です。

特に重い腰をあげてもらうには、〝人の役に立つ活動+自分にもメリットのある活動〟を提案するとより効果があったように思います。

私が訪問している離床拒否の強い利用者さんは、ご家族がベッドメイキングを理由に離床を促すと拒否なく起き上がってくれるようになりました。

離床のタイミングに合わせてリハビリや体操にも取り組んでくれるようになり、ご家族の介護負担軽減にも繋がっています。

本人にとって大切な活動を探す

利用者さんがルーティンワークとして行っていた活動にも、離床を促すためのポイントが隠されています。

今まで欠かさずにやっていた活動というのは、再開する時にも抵抗感を抱きにくく、スムーズに導入できる点でメリットがあります。

たとえば、家庭菜園への水やりやペットの世話など毎日必要になってくる活動があれば幸いです。

私が担当している利用者さんは、亡くなったご主人のお仏壇にお線香をあげたいという思いをきっかけに、二階にある寝室から一階の和室までひとりで降りてくることができるようになりました。

まとめ

離床を促すきっかけ作りは

⑴本人やご家族に離床することの大切さとメリットを伝える。

⑵自分や誰かのために取り組んでもらえる役割を探してみる。

⑶過去に行っていた習慣的な活動は、再開する時にも抵抗感なく導入しやすい。

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