あくまでルールは家人です
私が訪問リハビリの分野で仕事をすることが決まった際、特に気をつけていたことは〝利用者さんの家での立ち振る舞い〟についてでした。
というのも、今までの半生を振り返ってみると成人してから畏まって人の家にお邪魔するという機会があまりにも少なかったからです。
私の場合、幼少期はよく友達の家に遊びに行っていましたがマナーを意識したことなどありません。大人になってから見ず知らずのお宅にお邪魔する機会といえば、結婚の挨拶で嫁さんの実家に行ったくらいのものでした。
この仕事をしている間は、世間一般に必要不可欠な常識やビジネスマナーというものから縁遠い環境に身を置いていたということになります。
そこでいざ訪問リハビリに出ることになった際に困らないよう、自分なりに意識をして取り組んでいるマナーについてご紹介します。
玄関のマナー
まずは利用者さんの家に到着してから玄関で靴を脱ぐまでのマナーです。
特に冬場などは上着をたくさん着込んでいるかと思いますが、インターフォンを押す前にしっかりと脱いでおきましょう。また、雨が降ってカッパを着ている場合も、玄関に入る前に脱いでおきます。
靴を脱ぐ際は、家人にお尻を向けないようにまっすぐ家に上がり、半身になって靴を揃えます。靴を置く位置は下駄箱がある壁側に踵を揃えて置くのがマナーです。
と上記の通り細かい決まり事があるようですが、実際に訪問をしてみるとこの点を細かく指摘してくる方には出会ったことがありません。
お茶や茶道の先生、マナーに対する意識の高い方が出迎えてくださる場合を除き、そこまで意識をしなくても普通に脱いだ靴を揃えられれば大丈夫だと思います。
ちなみに雨の日に脱いだカッパは、玄関先に置かせてもらうか、袋に入れて脱いだ靴の上に置くとよいそうです。
家の中のマナー
はじめてお邪魔する利用者さんの家では、視線の向ける位置に気をつけてください。
利用者さんん自宅には賞状やご先祖様の写真、花瓶や絵画などが展示されているお宅もあります。
利用者さんがどんなひとだったのか知るにはもってこいの情報ですが、初回であまりジロジロと見渡していると失礼にあたるので控えにしておきましょう。
会話が進んだり、関係性が築かれていくなかで話題にしていったほうがよいようです。
足元のマナー
部屋に入る際の敷居、障子やふすまの冊子、畳の縁などは踏まないように避けて通るのが基本的なマナーのようです。
これについて気にされている利用者さんには出会ったことはありませんが、もしかしたら気になっていても言わなかっただけなのかも知れません。
ただ、運動中の利用者者さんが転びそうな時、とっさに介助に入った場合などはいちいち気にしていられません。マナーよりも利用者さんの安全を優先してください。
また、スリッパを貸して下さるご家庭もあるかとは思いますが、どこまでスリッパであがってよいのかをチェックしておきましょう。
家族や利用者さんがカーペットにあがる前にスリッパを脱いでいたら、しっかりとマネをして脱ぐようにしましょう。
家屋評価のマナー
トイレや洗面所、浴室などを拝見させてもらうことがあるかと思いますが、水まわりの設備をいきなり見ようとしてはいけません。
いずれの場所もご家族が共に使用している空間のため、見られたくないものや見せられない状況にあるかもれません。評価が必要な際は帰り際に伝え、翌週訪問した時に拝見させてもらうようにしましょう。
また、台所などの水まわりについても見られたくない状況にあるかもしれません。急を要する場合以外は無理に拝見しないほうがよさそうです。
まとめ
訪問リハビリで初めて伺うお宅では
⑴簡単なビジネスマナーは把握しておく。
⑵一般的なマナーよりも家人のルールを優先する。
⑶特に水まわりを評価する際は急がず次回に実施する方が無難。
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